親父のガン治療にみる現代医療の問題点 5 ~ システム思考
こんにちは。 心のソムリエ 橋本文隆です。
医学的なことはよく分かりませんが、ソリューション・フォーカスの観点から、現代医療について 思ったことを書いていきます。
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医師とのやりとりを通じて感じた問題点を書いてきたが、これは決して医師個人を批判しているのではない。
むしろ医師は非常によくやっていたと思う。
問題は医師個人ではなく、システムである。
生きるということを企業に例えるならば、医師は部門長や部門のスペシャリストという位置づけになる。
だから経営全般の話をしても話が合わない。
経営全般を見るためには、部門などの要素を見るのではなく、システム全体がどのように有機的に関係しているのかを見ることが必要になる。
これをシステム思考といい、学習する組織(ラーニング・オーガニゼーション)の重要な思考法である。
ソリューション・フォーカスもシステム思考(システムズ・アプローチ)を基盤としており、要素ではなく、関係やシステムを見ていく。
医療現場において、患者の全体システムについて語ろうとしても、経営トップに相当する役割の人がいない。
あえて言えば、看護士の方がまだ全体を見ている。
患者の生活環境全般を見ているのは看護士だから、全体を見ている看護士が、必要に応じてスペシャリストである医師を使う方が、合理的である。
しかし現実はそうはなっていない。
実際看護士は、経営トップというより、総務部に相当すると思われる。
だから、全体には関与しているのだけれども、経営トップの意思決定というレベルの会話にはならない。
そうであるならば、医療現場に経営トップに相当する役割はいないことを自覚して、患者自らが経営トップとしての役割を果たすことが必要になる。
そのためには、教育が必要だと思う。
日本人は薬好きだと言われるが、自分が持つリソースを活かすということを考えないで、「問題があれば切り捨てる」、「対処療法的によくなればいい」、「治すのは医者の仕事で自分ではない」というような考えが多いように思う。
自分の身体と精神を知るということをなおざりにしていては、いくら医療が進歩しても、健康から離れていく危険がある。
「病気がない=健康」ではないことを理解し、生きる力を伸ばしていくことが、高齢化、医療費増大などの観点から考えても、大切なことではないかと思う。
そのときに、ソリューション・フォーカス的思考は、大いに役に立つものだと考えている。
続く
親父のガン治療にみる現代医療の問題点 4
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