起業してから、毎年ダルマを購入しています。

 

きっかけは、どこかでもらった小さな小さなダルマでした。

 

まとまった仕事がとれますように、とお願いして片目に墨を入れ、注文が取れたときにもう一方の目に墨を入れました。

 

2年目からは具体的な仕事ではなく、その期を無事に乗り越えることができたときに、目を入れるようにしています。

 

新しい期がスタートして、無事にその期末を迎えられるということは、起業してみると思ったより大変なことでした。

 

これは、今年のダルマです。

 

 

スタッフが長野の善光寺に行ったときに買ってきてくれたものです。

 

面構えからすると、このダルマは群馬県の高崎出身のように見えます。

 

お腹の部分には、会社名が入っています。

 

夢が叶うかどうかは、その夢を思い続けられるかどうかだと思います。

 

ビジネスも同じでしょう。

 

左側の「心願成就」はそんな意味にとらえました。

 

その結果の「商売繁盛」ですね。

 

右目には梵字「阿」が書き込まれていました。

 

 

「阿」は、物事の始まりを意味するので、「始まりを大切にして一年を過ごしなさい」という意味のようです。

 

これは一年に限らず、何事にも通じますね。

 

力強く、苦難を乗り越えられるような雰囲気が一杯のダルマです。

 

 

グレゴリオ・パニアグアの音楽と出会ったのは1980年台の初め頃だったと思います。

 

「ラ・フォリア」というタイトルのアルバムで、大変な衝撃を受けました。

 

 

グレゴリオ・パニアグアはアトリウム・ムジケー古楽合奏団を率いて、主にスペインの中世からルネッサンス期、さらに古代ギリシャまで遡ったかなりユニークなアルバムを出しています。

 

「ラ・フォリア」は、コレッリの「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ」が有名です。

 

私の好きなギター音楽でも何人もの作曲家がその主題を使って曲を残しています。

 

日本でも宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」の「ナウシカ・レクイエム」という曲で主題が使われるほど、数百年にわたって世界中で親しまれてきた主題です。

 

パニアグアは、このテーマを使って約40分にわたって過激な変奏を展開して行きます。

 

ケチャの音楽が登場するのはまだマシで、救急車のサイレンや、チェーンソウなども出てくるのでびっくりします。

 

もともと古代音楽やルネサンス期の音楽は、カルミナブラーナに見られるように、過激で遊び心にあふれています。

 

これを現代の要素を取り入れて再構築したのが、パニアグアの「ラ・フォリア」です。

 

録音は飛びぬけて良く、かの長岡鉄男氏が絶賛したこともあり、オーディオ好きにとっては注目されている録音で、今でもLPレコードは、かなりの高値で取引されています。

 

私も最近までLPレコードを持っていたのですが、うかつにも、聴かなくなったレコードに混ざり、人にあげてしまいました。

 

パニアグアのアルバムで、もうひとつ有名なのが「古代ギリシャの音楽」です。

 

 

マドリード郊外に持つ彼の工房で、36種類もの古代ギリシャの楽器を復元して録音したパニアグア渾身の1枚です。


この録音も極めてよく、他のアルバムも含めてブルーレイ・オーディオ・ディスクとしても発売されています。

 

レコードの帯にある推薦の言葉を抜き出すと次のような内容です。

 

・尋常ならざる生々しさ。骨太の生命力。一度はきいておくべきレコード。
(音楽評論家 黒田恭一)

 

・古代ギリシャの世界が初めて目の前に出現。
(東京藝術大学教授・民族音楽学 小泉文夫)

 

・アナログ、デジタルを超越した名録音。
(録音評論家 高城重躬)

 

・ぞっとするほどの生々しい優秀録音。
(オーディオ評論家 長岡鉄男)

 

パピルスや大理石に残された音楽の断片を想像力豊かに展開している音楽は、相当にユニークで、全く受け付けない人もたくさん出てきそうです。

 

パニアグアは「ギリシャ音楽を考古学的な遺物として扱うのは不適当で、・・・、われわれの個人的感情によって新しい生命を吹き込むことこそがふさわしいのではなかろうか」と語っています。


11曲目の「デルポイのアポロン賛歌 第2」という曲は、まるで三味線、鈴、太鼓で演奏される日本の曲のようです。

 

「ファンダンゴ」というアルバムは、ちょっと異色です。

 

 

パニアグアが電子楽器(鍵盤楽器)を使って録音しているようで、まるまる1枚、ファンダンゴという音楽が続きます。

 

何も知らないで聴くと、一昔前のテクノミュージックのように聞こえる曲もあります。

 

ある音楽雑誌の新譜紹介ページで、このアルバムのタイトルを「花よりファンダンゴ」として紹介していたことがあり、あきれたことがありました。

 

「ラ・スパーニャ」というアルバムは、15世紀から17世紀のスペインの古い音楽を集めた内容で、有名な「シシリアーナ」のテーマも優雅な演奏で登場します。

 

 

「ラ・フォリア」のような驚くような展開はありませんが、楽器編成を変えながら続く32曲の小品は、まったく飽きさせません。

 

もちろん、録音も超優秀です。

 

「ビリャンシーコ」は、15世紀後半から16世紀前半に生まれた楽しい音楽を味わえるアルバムです。

 

 

「ビリャンシーコ」はスペインの歌曲の形式のひとつですが、もともとの語源は「村人」「田舎の人」のような意味で、村人や平民の歌ととらえて聴くと、風景も浮かびより楽しめます。

 

グレゴリア・パニアグアが取り上げた古い音楽は旋律だけであったり、断片的なものがほとんどでしょう。

 

それを見事な想像力を駆使して、古い音楽としてではなく、現代に登場しても斬新さを感じさせるアレンジで組み立てた、グレゴリア・パニアグアという音楽家の奇才ぶりには驚かされます。

加藤唐九郎作「永仁の壺」(行方不明のほう)がカラーで出ているというので「原色陶器大辞典」(淡交社)を取り寄せました。

 

 

全頁を探したのですが、残念ながらこれには掲載されていませんでした。

 

調べなおしてみると、「新撰陶器辞典」(日本工業図書出版所)の増補版(志摩書房)を出版するにあたり用意された、推薦文などが書かれた6ページ程度の内容見本の表紙に「永仁の壺」が載っていたのでした。

 

私が手に入れた「原色陶器大辞典」の発行は昭和47年で、「永仁の壺」が重要文化財指定を解除されたのが昭和36年ですから、掲載されるはずは無いですね。

 

ところで、「原色陶器大辞典」は、1000頁を越える大作です。

 

ぱらぱらとめくって拾い読みするだけで加藤唐九郎の陶器研究に対する情熱のすごさが伝わってきます。

 

この本の後ろには、出版情報が和紙に印刷されてはってあり、「一ム」の押印がありました。

 

 

「永仁の壺」事件を起こして一切の公職を辞した加藤唐九郎が、それ以降、昭和55年頃まで銘として使っていた「一無斎」の「一ム」ですね。