最近、オトマール・スウィトナーが指揮するアルバムを聴く事が多くなっています。

 

1973年年から、亡くなる2010年までNHK交響楽団の名誉指揮者を務め、生演奏には接する事は出来ませんでしたが、テレビでは時々観た記憶があります。

 

当時はスウィトナーに惹かれる事はなかったのですが、それは、オーケストラがNHK交響楽団ということもあったように思います。

 

今はどうか知りませんが、そのころのNHK交響楽団の演奏は、音楽の楽しさが感じられず、あまり好きではありませんでした。

 

ホルスト・シュタインやブロムシュテットなども、NHK交響楽団経由で知ったせいか、未だに積極的に聴こうとする気持ちになれません。

 

スウィトナーの魅力を感じたのは、数枚のベートーヴェンの交響曲のLPレコードを手にしたときからでした。

 




一言で言うと、安心して音楽に浸れる演奏なのです。

 

どのアルバムを聴いても、ベルリン・シュターツカペレから引き出すバランスの取れた美音に引き込まれます。

 

自分の中で決定盤がなかったブラームスのハンガリー舞曲は、スウィトナー盤に落ち着いたし、今聴いているシューベルトの「未完成」や第5番の交響曲も取り出す事が多くなりました。

 

どちらかというと過激な演奏が好きなのですが、それだけでは疲れてしまいます。

 

バランスをとるためには、ときには、落ち着いた演奏も必要です。

 

たとえば、ペーター・マーク。

 

ペーター・マークの指揮するメンデルスゾーンやモーツァルトは、心拍を上げずに音楽に浸ることができます。

 

そして、こういう時に取り出すのが、スウィトナーのアルバムなのです。

 

スウィトナーは、オーケストラから美しい音を引き出せる名指揮者です。