マリス・ヤンソンスの指揮するバイエルン交響楽団のアルバムを聴きました。

 

 

収録曲は次の2曲。

 

シチェドリン作曲「カルメン組曲」

 

レスピーギ作曲 交響詩「ローマの松」

 

2017年11月にミュンヘン出行われたライブの録音です。

 

「カルメン組曲」は編成が面白く、弦楽器と4人のパーカッション奏者とティンパニで演奏されます。

 

パーカッションは、ちょっととぼけた感じのところもあり、楽しめる曲です。

 

シチェドリンは、モスクワに生まれた作曲家で奥さんはバレエのプリセツカヤ。

 

「カルメン組曲」はプリセツカヤが、ハチャトウリャン、ついでショスタコーヴィッチに作曲を依頼して断られ、シチェドリンが引き受けたと言われます。

 

ビゼーのオペラ「カルメン」をもとにした編曲ものですが、シチェドリンの創作曲と言って良いでしょう。


大変面白い曲ですが、シンプルなのに効果抜群の音の響きになるビゼーのオリジナルの凄さを感じてしまう瞬間があります。

 

作曲されたのは1967年です。


誰の演奏だったか忘れてしまいましたが、私自身結構早くにこの曲を知り、クラシック音楽の幅の広さを感じた曲でした。

 

聴き始めて直ぐに感じたのは、バイエルン交響楽団の弦の音の良さ。

 

この曲は弦の数の指定があり、総数70の大編成です。

 

バイエルン交響楽団の分厚くゆったりとした弦の音は余裕を感じさせます。

 

ゆったり感は、ヤンソンスの特長かもしれません。

 

そう言えば、ヤンソンスは、音の良さで知られるロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者でもありました。

 

考えてみると、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とバイエルン交響楽団という名門2つの首席指揮者を同時に務めたのは凄いことです。

 

レスピーギの第1部「ボルゲーゼ荘の松」からも大変丁寧に演奏されている印象を受けました。

 

第2部「カタコンベ付近の松」の厚みのある弦は素晴らしく、金管楽器もうるさくなく、燻し銀と言う表現がピッタリです。

 

第4部の「アッピア街道の松」も分厚い弦楽器が曲を支えてクライマックスを作って行きます。

 

バイエルン交響楽団との演奏からは落ち着きを感じさせますが、オスロ・フィル時代は、フレッシュさとシャープさを感じさせる演奏だったようです。

 

オスロ・フィルやロイヤル・コンセルトヘボウとの演奏とも聴き比べてみたいものです。

 

このアルバムで、ヤンソンスを再認識しました。

 

しばらくはヤンソンスのアルバム探しで楽しめそうです。