アタウルフォ・アルヘンタが指揮するベルリオーズの「幻想交響曲」のアルバムを聴きました。
アルヘンタはスペインの指揮者で、44歳という若さで亡くなりました。
平均的な寿命まで生きていたら、アンセルメの後を継ぐ大指揮者になっていたはずです。
このアルバムはデッカもので、録音はステレオ初期の1957年です。
音は素晴らしく、音楽の構成が細部まで見えるようです。
考えてみると、同じ頃のマーキュリーやRCAのリビングステレオなどの録音は、音楽が生々しく聴こえてきて魅力的です。
最近の大編成のオーケストラ曲のデジタル録音は、音はクリアですが、ミキシングによっていじくり回しているせいか、音楽に生々しさが失われているように感じます。
音楽寄りではなく、オーディオ寄りという印象です。
こう考えると、ステレオ録音技術は、1950年代半ばから1960年代半ばには完成していたのかもしれません。