[展覧会の絵』『ラ・ヴァルス』『道化師の朝の歌』がカプリングされていて、録音も素晴らしいアルバムです。


オーケストラは、ジョージ・セルが鍛え上げたクリーブランド管弦楽団です。

 

クリーブランド管弦楽団 で14分10秒の演奏時間と言う事からは、各パートが明確に分離した推進力のあるキビキビとした演奏が想像出来ます。


小太鼓はスネアの振動がわかるくらいハッキリと聴こえます。優れた録音です。


小太鼓と同じリズムを刻むトランペットの正確さも見事です。


コントラバスも良いバランスです。


ドホナーニの演奏は余り聴いていないのですが、バランスの取り方のうまさを感じます。


前半の管楽器のソロは、どれも見事です。


パイプオルガンを模した部分が終わると小太鼓の音量は一段アップします。

 

トランペットがメロディを担当する部分では一気に音量が増大します。

 

見事な演奏です。


しかし、気持ちはどうも盛り上がりません。

 

正確無比に進みすぎるからでしょうか。

 

迫力も満点で、優れた『ボレロ』の演奏である事は間違いありませんが、感情が開放されるには、何かが足りない気がします。


150種類くらいの『ボレロ』を聴き続けていると、いつのまにかキワモノを求めるようになっていて、正当な評価が出来なくなっている私の問題かも知れません。


『ラ・ヴァルス』『道化師の朝の歌』は、オーケストラの上手さと楽器の分離の良さが曲の面白さにマッチしていて楽しめました。