江口寿史さんの版画を購入しに鎌倉に行ってきました。

小町通りにあるリュミエール鎌倉さんは古物やアクセサリーを扱っているお店です。

1年ほど前にこのお店に入った時、目に留まったのが、江口寿史さんの数点の版画でした。

その中の1つが「私釈魚藍観音之図」です。

一目見て、北斎漫画がモチーフになっている事がわかりました。

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昨年、すみだ北斎美術館で案内ロボットの実証実験をやった時、案内作品の一つにあったのが「魚藍観音図」で、この作品についても随分資料を探しました。

そんな経緯もあって、いつか手に入れたいと思っていたのでした。

江口寿史さんのこの作品は2014年に京都東寺で行われた「漫画家による仏の世界展」のために描き下ろされた作品です。

全体的には北斎の作品がベースになっていますが、肝心の魚藍観音は、京仏師・櫻井覺山氏の「見返り観音像」にインスパイアを受けたもののようです。

摺師は、東山魁夷や平山郁夫、ミロ、鈴木英夫などの版画を手がけた尾崎正志という方で、大変美しい仕上がりです。

限定100部しか摺られておらず、海外の方に人気のようです。

私の手に入れたのは、52/100の番号のもの。江口寿史さんが直接押したという落款があります。

細部を眺めていると、あの「すすめパイレーツ」を描いていた人と同一人物とは思えないほど繊細でシャープです。

また改めて、この構図を考えた北斎の凄さを感じました。