過去にも書いたことがあるかもしれませんが、大好きな国語辞典があります。
三省堂の新明解国語辞典です。
国語辞典の何が面白いの、と思われるかも知れませんね。
この辞典は、偏見に満ちたように見える解説と用語の用例が相当ユニークなのです。
この面白さを教えてくれた本があります。
赤瀬川源平さんの「新解さんのなぞ」という本です。
たとえば、「苦しい」の用例
「苦しい中から子供を三人まで大学にやる」
大学を出すのは一人でも大変だと思うのですが、それをわざわざ三人に膨らませるなんて。
二人だけにしておけば経済的には少しは余裕のある家庭だったのかなと想像が広がります。
「おそかれはやかれ」の用例
「おそかれはやかれ一度は死ぬのだ」
そりゃあそうですけど。
「かんこうへん」の解説。
「肝臓がかたくなる病気。治りにくい」
医学書でもないのに、きっぱりと治りにくい、と言い切っています。
肝硬変の方が読んだらがっくりとしそうです。
「はじける」の用例
「パチパチとはじける火事場特有の音」
なぜ、こう言う用例が真っ先に浮かぶのでしょうか。
こんな内容で1冊の辞書を作ってしまう出版社も凄いと思います。
何かを調べる使い方ではなくて、暇な時に面白い解説を探すという楽しみ方ができる珍しい辞書です。