ある日の深夜、「ビジョン」というアルバムを聴いていました。
12世紀に生きたヒルデガルト・フォン・ビンゲンというドイツの天才の音楽です。
ヒルデガルトは、修道院長になった女性で、ある時期から幻視体験(これを「ビジョン」と呼んだ)をするようになり、その体験を絵として残しています。
彼女の音楽は、教会内に響くイメージそのままの声楽で、似たような音楽としてはグレゴリオ聖歌が思い浮かびます。
誰かが仕掛けているのだろうと思いますが、グレゴリオ聖歌は、ある年数を置いて、ブームが何度か起こっています。
私が初めて聴いたのは高校生の頃で、心安らぐ響きに惹かれていました。
手元には10数枚のアルバムがあり、今でも、特に深夜に取り出して聴くことがあります。
ヒルデガルトの音楽は、グレゴリオ聖歌に続くような音楽です。
アルバム「ビジョン」は、リチャード・サウザー(音楽家、作家、プロデューサー、編曲家)が、アカペラだけではなく、幾つかの楽器を加えて、12世紀の音楽と現代をつないでいます。
電子楽器も使っていますが、うるさくはなく、聖堂に響くようなサウンドを作り出しています。
ヒーリング音楽が好きな人には向きそうなアルバムです。