燗酒は湯煎がいいので、お銚子を熱湯の中に入れたり、アルミのチロリを使ったりして楽しんでいました。
温度計を使った温度調整ができないので、電子レンジは使いません。
燗酒をつくるために、ずっと欲しいと思っていたものに、「ミニかんすけ」という商品がありました。
蓋が付いた錫のチロリが付いた卓上のお燗器です。
陶器の徳利とセットになったお燗器を持っていて、これも時々使います。
ただ、陶器は湯煎で温まるまで5分ほどかかるので、酒呑みには、すぐ温かくなる錫製が向いています。
雰囲気もいいので、ずっと欲しいと思っていましたが、2万円代という値段はなんとも高くて手が出せません。
オフハウスに出るかもしれないと思い、何年も注意していますが、なかなかお目にかかれません。
しかし、念じ続けていれば、思いは叶うものです。
ある日、千葉方面をドライブしているとき、偶然みつけた酒蔵に立ち寄りました。
直販のお店の酒器コーナーの片隅に、ちょっと埃をかぶって置いてあったのが、これ。
「ミニミニかんすけ」」でした。
「ミニかんすけ」は2合サイズで、「ミニかんすけ」は1合サイズです。
1人で呑むには丁度いい容量です。
箱の裏を見ると、3、000円の値札。
えっ?
確か、1万円くらいだったはず。
「あのう、これは、この値段ですか?」
お店の方に箱の値札を見せて、たずねると、
「はい。そうですよ」
「あ。これ、買います!」
埃をかぶっていたので、デッドストックだったのでしょうか。
その日の夜は、もちろん、燗酒。
二重構造になっている外側の容器に熱湯を入れ、チロリにお酒を入れて湯煎開始。
1分ほどで上燗の温度くらいまで上昇します。
さすが錫です。
温度上昇は早いのに冷めにくいので、ゆっくり呑んでも、最後までいい温度の燗酒が楽しめます。
その後、こんな袋に入れて持ち運べるようにしました。
浦賀に行くときはもちろん、浅間の小屋に行くときも持参するアイテムになりそうです。