11月20日、東京芸術劇場で行われた、オスモ・ヴァンスカ指揮~読売日本交響楽団の演奏会を聞いてきました。

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オスモ・ヴァンスカは、「カレリア組曲」のCDを聴いて、大変興味を持ったフィンランドの指揮者です。

「カレリア組曲」の3曲目の「行進曲風に」では、各パートの絡み合いの透明度が素晴らしく、ハンニカイネンの指揮する同曲と並んで、好きな演奏です。

プログラムは次の通りです。

<1部>
交響詩<フィンランディア> (シベリウス)
ピアノ協奏曲第2番 (ラフマニノフ)

<2部>
交響曲第2番 (シベリウス)

指揮:オスモ・ヴァンスカ
ピアノ:リーズ・ドゥ・ラ・サール
読売日本交響楽団

フィンランディアは、オーケストラがまだ温まっていない印象で、指揮に対するダイナミズムの反応がいまひとつに見え、「おお、さすが!」という気分にならないまま終わりました。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、第1楽章が展開するときに目の前がくらくらするような感動を覚える大好きな曲です。

私の席の関係か、ピアノの細かい音が聴こえず、超絶技巧の部分も、ただ手が動いているのが見えるだけで、オーケストラとピアノの音量のバランスが悪いな、という感想で終わってしまいました。

演奏後の大きな拍手とブラボーの声援からするとピアノも素晴らしい演奏だったはずなので、席の悪さが悔やまれました。

以前、比較的良い席で小山 実稚恵さんの独奏で聴いたときには、ピアノが大きく聴こえていたので、今回は席の問題だったのでしょう。

ピアノ協奏曲を本命として聴きに行くコンサートでは、席を選んだほうがよさそうです。

さて、第2部!

シベリウスの交響曲第2番は、シベリウスの7つある交響曲の中でもわかりやすく、人気のある曲です。

これは素晴らしかった!

ここに来て、やっとオーケストラから、シベリウスやフィンランドの森を思わせる音が響いてきました。

4楽章のクライマックスに向かっていく盛り上げ方は、シベリウスの作曲技法によるところもあるのでしょうが、読響の演奏が素晴らしく、オスモ・ヴァンスカの指揮棒に従って、分厚い響きを重ねて大音量で終わりました。

こういった演奏を聴くと、読響はパワフルなオーケストラだと感じます。

演奏が終わって大拍手と歓声の中で、ふと、ジョージ・セルが来日したときの交響曲第2番の演奏のことを思い出しました。

残念ながらCDのみでしか聴いておらず、生演奏では聴いていないのですが、超名演で、感動の嵐だったそうです。

今晩のすごい演奏よりさらにすごかったに違いなく、そうなると、想像外です。

後半で、名演奏に触れることができ、このまま帰るのはもったいないな、ということで、居酒屋の止まり木で、ほっこり気分で一杯やってから帰りました。