ロリス・チェクナヴォリアンはイラン出身の指揮者です。


アルメニアの指揮者だと思っていたのですが、両親ともアルメニア出身ということで、生まれたのはイランでした。


はじめて彼の指揮するハチャトゥリャンのバレエ音楽「ガイーヌ」を聴いたときには、縦の線がずれずれだけれど爆発しているような演奏に驚きました。


それからは、CDやLPをみつけると買っていました。


私のチェクナヴォリアンの印象は、「ブラスが出てくるとじっとしていられず咆哮させ、打楽器が登場するとガンガン叩かせる指揮者」です。


チャイコフスキーの4番から6番が入ったアルバムも、そんな演奏が楽しめます。


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このCDは、タワーレコードが企画したリマスター盤で、弦も管もよく響くクリアな音に仕上がっています。


試しに交響曲第6番「悲愴」を手持ちのLPと聴き比べてみました。


CDのリマスター番は、LPと比べると弦の抜けや空間の広がりの表現が優っています。


低音を加えた厚みになると、LPのほうに軍配があがりますが、よく聴くと、リマスター盤の低音のほうがライブにより近いように感じます。


「悲愴」を聴きながらLPの帯を読むと、こんなことが書いてありました。


〇空間的な大きい広がりを感じさせるオーケストラ表現(大木正興氏)

〇構築の確かさ(志鳥栄八郎氏)

〇先走りをしない堅実なすぐれた新人指揮者(村田武雄氏)

〇燃えたぎる情熱と新鮮な抒情(門馬直美氏)


そうそうたる名前ですね。


このコメントは、ほぼ同時に発売されたシベリウスの交響曲第4番と5番のアルバムの帯にも書かれているので、「悲愴」の演奏へのコメントというわけではなかったようです。


村田氏のライナーノーツには、チェクナヴォリアンを知ったのは、1976年11月号の「グラモフォン誌」によってだとありましたから、「悲愴」のアルバムは、注目の新人登場的な位置づけだったことが想像できます。


爆裂演奏である「ガイーヌ」全曲盤は、「悲愴」のあとに発売されています。


大木氏の言う「空間的な広がり」は、リマスター盤でいっそう顕著にわかります。


3つの交響曲を一気に聴いてみて、楽器のバランスが面白い個所があり、この曲ってこんな感じだったっけ、と思わせるところもあり、聴き飽きた感のある3つの交響曲を楽しめました。


村田氏のライナーノーツには、こんな一文がありました。


「ただ管弦楽のバランスからして、第3楽章などにさらに円滑で精ちな統一を求めたいところがあるし、それは管弦楽の技術の問題ばかりではなくて、この指揮者の管弦楽のコントロールについての今後の研究の必要を示しているところである。」


やはり楽器のバランスに特長がある演奏なのですね。


でも、バランスばっちりのわりにはつまらない演奏は多いので、チェクナヴォリアンのような演奏も世に出てくれないと面白くありません。



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