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ロリン・マゼール指揮 フランス国立管弦楽団 13分57秒
録音:1981年9月
録音場所:パリ、フランス国立放送局スタジオ
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どこか人と違うことをやるマゼール。今回も期待したのですが、肩すかしを食らったような演奏でした。(マゼールにしては)実にオーソドックス。
ウィーンフィルとの「ボレロ」で見せた思い切ったことを、快速ボレロの中でどうやるんだろうと期待したのです。
あえて変な箇所をあげるならば、第1バイオリンのメロディーが終わった237小節から加わるおもちゃのラッパのような音。たぶん、ソプラニーノ・サックスだと思いますが、ハイドンの「おもちゃの交響曲」のラッパを思い出してしまいました。この部分をこれだけ目立たせている演奏は、マゼールくらいじゃないでしょうか。(やっぱり変なことをやっている)
思いっきり変な演奏を期待しただけに、ちょっとがっかりし、つまらない演奏にも聴こえたので、3日間ほど放っておきました。放っておいたのは、マゼールの演奏だけではなく、実は「ボレロ」も同じで、3日間「禁ボレロ」をしたのちに、再開した一つ目が、マゼールの演奏。
すべての楽器がきれいに聴こえ、新鮮な印象に変わりました。ホルン+ピッコロ+チェレスタの部分も、バランが良く、あまり違和感を感じません。
最後の迫力も満点で、もしかするとこれが「ボレロ」の本命?とまで思ってしまいました。あまりにも続けて色々な「ボレロ」を聴きすぎたせいか、耳がおかしくなってしまったのかもしれません。時を置いて再レビューが必要になりそうですが、その時々の自分のコンディションや置かれている状況、年齢などによっても受け止め方が変わってくるのも「音楽」でしょう。