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ポール・パレー指揮 デトロイト交響楽団 13分24秒
録音:1958年3月
録音場所:デトロイト、オールド・オーケストラ・ホール
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快速パレーらしく、気持ちよく音楽が流れていきます。ハープの音がやや大きいので、リズムがいっそう際立って聞こえます。
1958年の録音ですが、マーキュリーの録音ですから、最近の録音と比べても劣りません。
パレーの演奏はどれを聴いても確信に満ちた勢いが感じられ、このボレロも例外ではありません。一定のテンポで進むリズムは安定感抜群です。93小節目から始まる第1バイオリンのピチカートの1発目は、「しまった、手が滑ってしまった!」という感じがするくらい目立ちます。あとになってもそんな場面が何度も出てくるので、パレーの指示かもしれません。バイオリンのピチカートに注目するとけっこう楽しめます。
テノール・サクソフォーンは、ジャズ的演奏ではありませんが、なかなか聴かせてくれます。ホルン、ピッコロ、チェレスタが平行調で奏でる部分はピッコロを目立たせて吹かせています。この部分のピッコロの目立たせ方は、数ある録音の中でもトップクラスじゃあないでしょうか。