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モーリス・ラヴェル指揮 コンセール・ラムルー管弦楽団 15分27秒
録音:1930年頃
Fontana PL-25(Mono)
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作曲者自身の演奏です。
ラヴェルはこの曲の長さを17分程度と想定して様ですが、この録音ではそれより短い15分27秒となっています。
手元にあるデュラン版のスコアを見ると、四分音符72の指定があり、全342小節をこのテンポ指定を保った場合13分50秒となります。ラヴェルにテンポが速すぎるといわれたトスカニーニは13分25秒ですから、それほど速すぎるとも言えません。
私の持っているのはLPレコードです。これは録音当時SP盤2枚4面に収めたものを編集でつないであります。聴いていてもわかる編集の仕方で、編集個所ではうまくつながっておらず、音がとんでいるので、実際はもう少し長い演奏時間ではなかったかと思います。そもそもSPレコードは片面に4分程度しか録音できず、なんとか盤面に収めるために小節をカットしたりテンポを速めたりしたこともあったので、ラヴェルによる演奏時間も、これを考慮する必要があるまもしれません。
実は、2枚組のSP盤を所有していたこともあるのですが、うっかり1枚を割ってしまいました。
ところで、ラヴェルの演奏ですが、正直なところあまり面白くはありません。主題Bの部分の「ミレドー」のところに極端なアゴーギグを許していて(あるいは指示?)、ちょっと素人っぽさを感じます。現代ボレロに慣れた耳で聴くと、とても違和感があります。
とにかく音はよくないので、今の技術で録音されたものであったら、印象は違ったかもしれません。音の悪さが幸いして、ホルン+ピッコロ+チェレスタの部分はバランスよく聞こえる、という効果はあるのですが。