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ベルナルト・ハイティンク指揮(ボストン交響楽団) 14分55秒

録音:1996年4月 ボストン、シンフォニーホール

PHILIPS PHCP-21010(464 559-2)
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まず感じるのは、管楽器群のソロがすばらしくうまい!ということです。「ボレロ」の前半の楽しみである、ソロの妙技を堪能することができ、ここを味 わうだけでも価値のある演奏です。それぞれの音に艶があり、ちょっと小技を効かせたソロが次々と出てくるのは聴いていて楽しいものです。その個人技をじっ くり堪能させてくれるPHILIPSの見事な録音も見逃せません。


私のハイティンクの印象は、「まじめな音楽をする指揮者」です。


マーラーやブルックナーの交響曲全集は、数曲聞いただけでそのまじめさが面白くなくて、すぐに手放してしまいました。


改めてこの「ボレロ」を聞いてみると、やはりまじめな演奏という印象は変わらないのですが、オーケストラの響きが美しく、先のマーラーやブルックナーも、もっと丁寧に聴くべきだったなと反省しています。


ソロを終わってリズムに回った楽器もとても丁寧に演奏しています。


ソロパートを美しく聞かせてくれるのは、ハイティンクが28年間もの長い間首席指揮者を務めた、音色に魅力のあるアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の経験と関係がありそうです。


前半のソロの妙技と比べると後半の盛り上がりはもうちょっと何かあってもいいかな、と思わせるところはハイテンクらいいところかもしれません。