起業してから11期目になりましたが、縁起物のだるまを毎年買っていました。
最初の1つはもらったもので、湯飲み茶わんくらいの小さなサイズでした。
そのだるまの底には、その年に取りたかった案件を願い事として書き込み、達成したあとに、ダルマの目を入れました。
それ以来、サイズを大きくしたり小さくしたりしながら10個のだるまを買いました。
今期はいくつかの新しいビジネスにチャレンジしようと頑張っているのですが、だるまを買っていないことをずっと気にしていました。
高崎のだるまが好きで、ここ3年は、高崎の観音様にお参りに行くときに、参道に並ぶお店で購入していました。
高崎のだるまは顔の表情が良いうえに、他の場所よりかなり安く買うことができます。
全国で販売されているだるまの約80%が高崎のだるまなので、量産効果で安く販売できるのでしょう。
浦賀に来た時、どこか近くにだるまを買えるところがないか探してみました。
そこでみつけたのが、平塚のだるま。
「相州だるま」というらしく、長嶋達磨店というお店で作っていることがわかりました。
ナビに住所を入れて行ってみると、その場所に着いても、お店は見当たりません。
仕方ないので電話してみると、すぐにご主人が迎えに来てくれました。
そこはダルマを製造している制作所でしたが、売ってくれるということで、作業場に案内されました。
秋の空気が気持ちのよい庭の縁台に座布団と冷たいお茶を用意してくれ、いくつかのダルマを見せてくれました。
130年の歴史を持つのが「相州長嶋だるま」で、ご主人は五代目。
もともとは八王子方面のダルマがルーツで、初代がいくつかお土産に買ってきたところ評判になり、それがきっかけで作るようになったということでした。
顔つきが良く、高崎のだるまに似ている印象でしたが、並べてみると、たとえば高崎だるまの口は一文字なのに対して、相州だるまはへの字になっているというように、細部は違っています。
相州達磨には、横や頭頂にも金色の装飾が細かく書き込まれ、目の周りは金色の箔で縁取りされています。
ご主人によると、気温の高い時期と、低い時期では、塗の方法を変えているそうです。
ほほんどの季節ではラッカー塗りですが、寒い時期は膠(にかわ)バージョンも作っているとのことで、膠塗りのダルマを持ってきてくれました。
膠で塗った場合、気温が高いとべたついてしまうのと、塗る手間がかかるので、全国的にも膠塗りのだるまを作っているところは極めて少ないということでした。
2つ並べてみると、ラッカー塗のだるまは赤が鮮やかで、膠塗りの赤は落ち着いた赤になっています。
「膠の赤が好きですねえ。こっちにします。」と言うと、
「それは、うれしいなあ。でも、今だと少しべたつくかもしれませんが、いいですか?」
「いいです、いいです。断然、こっちがいいです。」
「そうですか。うれしいな。何か描きますが希望がありますか?」
見せてくれた6号のだるまのお腹には、まだ何も描かれていなくて、遠くから来てくれたのだからと、特別に希望の文字を描いてくれるというのです。
普通のだるまには、たいてい「福」の文字が描かれていて、顔の左右どちらかに会社名が入り、もう片方には「商売繁盛」などの文字を入れるのが一般的です。
会社名の「ソリューションゲート」は文字数が多くて入らないというので、「SG」の文字をお願いしました。
「あまり、アルファベットは描いたことがないので、こんな感じになっていましました。」
と言いながら持ってきてくれただるまには、金色に白で縁取りされた「SG」の文字が入っていました。
確かに、漢字よりやや少し座りのよくない気もしますが、そんなことはどうでもよく、なんだかとてもいいことがありそうで、嬉しい気持ちで大満足でした。
背中には「商売繁盛」の文字を大きく入れてくれました。
お母様らしい方も出てきて、だるまの作り方などのお話を聞くことができ、楽しい時間を過ごさせて頂きました。
だるまを作るときの型も持ってきてくれ、並べて写真撮影をしました。
近くにあった平塚博物館のロビーには、相州だるまの型からはずしただるまが展示されていました。
家に戻って袋から取り出してみましたが、べたつきはまったくありません。
改めて手に持ってみると、重心がしっかりと底にあり、横に倒しても、実に素早く起き上がり、その起き上がりっぷりが見事です。
会社をやっているとうまくいかないことも多く、「七転八起」の気持ちが大切です。
相州長嶋だるま。
縁起物として嬉しい出会いでした。
ブログランキングに参加しています。
にほんブログ村
応援よろしくお願いします