久しぶりにギターのコンサートに行ってきました。


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演奏者は、アナ・ヴィドヴィチというクロアチア出身の女流ギタリストです。

場所は、渋谷区文化センター大和田さくらホール。

プログラムは、次の通り。

・第1部
「魔笛」の主題による変奏曲(ソル)
ソナチネ(トローバ)
神の愛のほどこし(バリオス)
グラナダ(アルベニス)
アルハンブラの想い出(タレガ)

・第2部
ギター・ソナタ Op.61(トゥリーナ)
ソナタ「ボッケリーニを讃えて」(C=テデスコ)
エル・マラビーノ(ラウロ)
ベネラズエラ風ワルツ第2番、第3番(ラウロ)

・アンコール 
イエスタディ (武満徹編)
カヴェティーナ(マイヤーズ)

ヴィドヴィチは美人で知られるギタリストです。

1999年にナクソスから出たデビューアルバムでは黒い髪の少女という感じでしたが、舞台に登場したのは金髪のモデルのような美しい女性になっていました。


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(↑デビューCD)

写真の印象とは異なり、ハリー・ポッターのハーマオイニー役のエマ・ワトソンに似ていて、大人っぽいというより、チャーミングで、ステージに登場すると華がありました。

演奏は見事で、まったく不安を感じません。

音量も十分。

フレーズの最後の処理が繊細で、ああなるほどなあ、という箇所の連続でした。

トローバのソナチネは、美しい曲だと再認識しました。

トレモロの均一さは素晴らしく、バリオスもタレガも曲の美しさに浸ることができました。

演奏の見事さは最後のアンコールまで続いたのですが、ちょっと気になったことがありました。

作曲家が変わっても、どれも同じように聴こえてしまうのです。

ヴィドヴィチの個性が出ているということでしょう。

今回のプログラムは、ほとんどがアンドレス・セゴビアのレパートリーです。

私はセゴビアの音楽が大好きなので、どうしてもそれと比べてしまいます。

セゴビアの個性は強烈で、作曲家の個性をはるかに上回るという点では、アナ・ヴィドヴィチの比ではないのですが、その個性が極めて魅力的なので、納得してしまいます。

この点では、アナ・ヴィドヴィチの演奏は、それでもいいんだと思わせる個性という点では弱いのだと思います。

テデスコの「ボッケリーに讃」は、セゴビアの独特の和音の鳴らせかたと、セゴビアトーンと言われるキメの音をちりばめてこそ、あの曲の良さが出ると思っています。

期待した曲だっただけに、少し物足りなさを感じました。

会場を見渡して、ちょっと驚いたことがありました。

観客のかなりの割合を50歳以上の男性で占めていたのです。

ちょうど私と同じくらい(57歳)かそれ以上。

これは、アナ・ヴィドヴィチだからなのか、若いギターファンが減ったということなのか、ちょっと気になるところです。

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