このところ、ヴィヴァルディの「四季」を聴くことが多くなりました。
テレビのCMでも効果的に使われているので、その影響かもしれません。
ちょっと古い人は、「四季」と言えば、イ・ムジチの演奏が浮かぶでしょう。
端正な、模範的な演奏です。
私の「四季」のイメージは、イ・ムジチだったので、のめり込んで聴きたい曲ではありませんでした。
ところが、ここ20年くらいのバロック音楽の演奏は、かなり過激で面白くなっています。
1977年に録音されたアーノンクールの「四季」や、イル・ジャルディーノ・アルモニコの演奏を聴いたとき、バロック音楽の演奏は、なんだか面白いことになってきたな、と気配は感じていました。
そう思って色々な「四季」を聴き比べると、多くの演奏が何らかの工夫をしていて、実に面白い曲であることがわかりました。
特に、ファビオ・ビオンディがヴァイオリン独奏をしている「四季」を聴くと、驚くほどの自由奔放さ(実際のところは、かなり計算されているのでしょうが・・・)です。
もしヴィヴァルディの時代にこんな演奏がされていたのなら、これは今でいえば、インプロビゼーションにあふれたジャズやロックに相当する興奮が味わえた音楽であったはずです。
そもそも、バロックより前のルネッサンス音楽もかなり過激で、「カルミナブラーナ」(有名なオルフ作曲のものではない)なんかを聴くと、今より過激な内容かもしれない、と思わせますから、その後のバロック音楽に過激さが潜んでいても不思議ではありません。
今から30年くらい前に、グレゴリオ・パニアグアとアリリウム・ムジケの演奏した「ラ・フォリア」を聴いたときには、その斬新さに驚きました。
「ラ・フォリア」の変奏の中に、チェーンソーの音や、インドの打楽器のタブラや、風船の音が登場するのです。
この時代の音楽に潜む過激さをパニアグア流の独特な方法で表現していたのかもしれません。
脱線しましたが、今は、イ・ムジチの優等生的な「四季」の印象を大きく壊してしまう、楽しく興奮に満ちた「四季」の演奏がたくさんあるようです。
しばらくは「四季」の開拓をしてみようかと思っています。
そういえば、最近発売された、イ・ムジチの新録音は、なかなか新鮮な演奏みたいですね。
聴かねば。
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