人生って、いろんなことがあって、つくづく面白いなあと思います。


今のマンションは、賃貸で、もう28年住んでいます。


結婚して間もないころ、箱根に旅行に行く列車の中で、なぜか持ちこんだ住宅情報誌にあった物件で、これはよさそうだと衝動的に決めて、あっという間に移り住んだ物件です。


もともと一か所に腰を落ち着けるのが好きなタイプではなく、まあ5年も住んだら引っ越すんだろな、と思って借りたのですが、子供ができると簡単には動けず、二人の子供が出てしまった今でも住んでいます。


はじめは陸の孤島のようなマンションで、都内にありながら最寄り駅までは3キロはあり、半径1キロにはコンビニすらなく、一時は半径1キロに自動販売機もなかった、というような場所です。


それでも住めば都。


最近では、徒歩2分の位置に駅ができ、スーパーも入った大型のホームセンターや大型の電気店もできました。


おかげで、乗り合わせがよければ、上野まで20分以内で行ける環境になりました。


ところが、最近、ある会社から、「この物件を売却したいので、次回の更新はしない。ついては、代わりのマンションを用意するので、出て行ってくれ。それもできるだけ早く」という連絡がありました。


まさに、晴天の霹靂です。


しかも、できるだけ早く、できれば3月に出てほしいという要求です。次の更新は、来年の5月nあんですが。。。



最初の電話の後、「次回の契約更新はしないので、了解のサインをしろ」なんていう書類と、契約時の公正証書のコピーを送ってきましたが、そんなものは、なんの効力もないので、「あー、しろうとだと思ってなめてるな」と思っただけでした。


一般的な住居の賃貸契約は、「普通借家権」の契約となっていて、貸主に正当理由がない限り、圧倒的に借りている側が強い契約になっています。


原則、自動更新で、更新するかしないかの契約を改めて結ぶ必要もありません。


これが、「定期借家権」となるとそうはいかず、大家さんがいいと言わない限り、定められた期限になったら、無条件で出ていかなければなりません。


親しい不動産会社の社長に相談したところ、「そんなものは放っておいていいんですよ。正当理由を主張するなんて、ほぼ不可能ですから」と言われました。


売却したい、なんていう理由は、ちゃんちゃらおかしい、なんの役にも立たない理由なのです。


だから、「正当理由を文書で出せ」と言えば、何にもできないのはわかっています。


そうは言っても、業者からかかってくる電話に対応するのは余計なことだし、ストレスです。


こんなことは気に掛ける必要はないのでしょうが、相手もサラリーマン。仕事とは言え、ゆううつだなあ、と思っているでしょう。


私は、条件さえ整えば、移ってもいいと思っていますが、ちょっと難航しそうす。


こちらが出した条件は、2つだけ。


1)移転するにあたり、余計な出費が一切ないこと。


これは当然です。引っ越しがなければ、まったく必要のない出費ですから、これは貸主側が用意すべき条件です。


一般的には、この部分は相手が提示してくるようですね。


具体的には、新しい借家の敷金、礼金、そして引っ越し費用など。


2)防音対策を考えること


家内も私も、音楽が趣味です。家内はピアノ、私はギターとオーディオ。


マンションですから、当然、常識的な範囲で楽しんでいます。


それでも音に対する感じ方は人によってさまざまで、かすかに聞こえる音でも気になる人にとっては騒音となります。


実際、過去にそんなトラブルもあり、人関係を築きながら今の状況が維持されています。


それを、業者が用意した物件に移った時点で、ゼロから築いていかなけれななりません。


たかが趣味と思う人がいるかもしれませんが、それを続けるために努力や工夫をしてきたわけで、ここを今回のような理由で「常識的な範囲でやれば次に移っても同じでしょう」と言われるのは筋違いなのです。


そこで、条件として防音対策を出したのです。


防音工事をすると大変な費用がかかるようい思いますが、工夫をすれば安価で済ませることができます。


その工夫を、どれほど考えてくれるのか。


大きなヒントを伝えましたが、どんな対応をしてくるのか見ものです。


私が相談した不動産会社の社長も、頼まれてマンション1棟分の立ち退きをやったことがあるそうで、その時は2年間かかったということでした。


「結局は、誠意を持って話し合いを続け、信頼関係を築かなくちゃだめなんです」


私は、権利を主張して相手に押し付けるのが嫌いなタイプです。


このことが、今の日本を住みにくくしていると思うからです。


今の日本は民主主義国家で、個人の自由も守られています。


自由主義というのは、そこに生活する人が歩み寄り、互いに調整をしながら、自分の自由を守っていくことです。


何をしても自由、ということではありません。


さあ、今回の相手は、どう対応してくるでしょうか?


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