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埼玉県熊谷市にある権田酒造
の「直実」です。
なぜかって?
私は生まれは北海道ですが、育ちは熊谷市だからです。
「直実」は、熊谷人だったら説明が必要のない、平安時代末期から鎌倉時代の初期まで生きた「熊谷次郎直実」からとった名前です。
直実は、平家から源頼朝側にうつり、一の谷の戦いで、平敦盛の首をとった逸話で知られています。
敦盛は自分の息子と同じくらいの年齢で、馬乗りになったときに一瞬なやんだけれど、味方が迫っている状況から、泣く泣く直実が首をとったと言われます。
このことがきっかけになり、法然の弟子となって仏門に入り、法力房蓮生 (ほうりきぼうれんせい)の名前で諸国をまわり、いくつかの寺を建立しました。
その後、本領の熊谷に戻り建立したのが「熊谷寺」です。
今はどうか知りませんが、私の小さい頃は、熊谷市の公立学校では、運動会の時には、「直実節」を踊りました。
直実節は、一の谷の合戦の逸話を唄にしたもので、次のような歌詞です。
直実節
1番
秩父の峰の雪白く 名も荒川の風寒し
ここ武蔵野の大里は 関東一の旗頭
直実公のふるさとぞ
「一の谷の軍破れ 討たれし平家の公達あわれ
暁寒き須磨の嵐に 聞こえしはこれが青葉の笛」
2番
源平須磨の戦いに 花も恥らう薄化粧
智勇兼備の将なれば 敦盛の首討ちかねて
無常の嵐胸を打つ
3番
人生うたた五十年 夢まぼろしに似たるかな
今は栄位も何かせん あまねく人を救わんと
その名も熊谷蓮生房
4番
流れて早き年月に 武蔵野山河変わるとも
坂東武者の精神(こころね)は われらが胸に今もなお
生きてぞ通う直実節
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「 」のところは、曲調が変わるので、特に印象に残っています。
熊谷駅の前のロータリーには、直実の像があります。
古い駅舎から建て直されたときに作られました。
駅前のロータリーには交番があって、中学時代の私は、友人たちと、なんとかお巡りさんの目を盗んで直実像によじ登ろうと試みた思い出があります。
権田酒造の「直実」ですが、安い普通酒でも熱燗にするととても美味しくて、日常使いの日本酒としてかかせない1本になっています。
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