ポンセのこの曲は新人賞選考会の本選の課題曲としてレッスンしていただきました。

残念ながらというか、当然というか、コンクールで弾くチャンスはありませんでしたが、ソナタであるという点で大変勉強になりました。


コンクールに出ることは賛否両論がありますが、自分ではあえて練習しないだろう時代や作曲家の曲も練習しなくてはならないということがメリットとして挙げられるでしょう。


技術的に苦手で敬遠するような曲でも課題曲として練習しなければなりませんから、技術的にもかなり向上することになります。ただ、曲数は1次予選から数えると4~6曲はこなさなければならないのでかなり大変です。

この曲はソナタですが、課題曲としては第1楽章だけだったので、練習もこの楽章だけしました。ポンセは大好きな作曲家ですが、たとえ第1楽章だけだとしてもソナタに暗譜で取り組もうという気力はありませんでしたから、半ば強制的に練習しなければならなかったコンクールには感謝しています。

レッスンの初めの頃はあやしい暗譜状態なので、なんとか通して弾くのが精一杯ですが、なぜかこいう段階に限って先生が一緒に弾きます。それもテンポを落とさず弾くので、難しい個所になると当然弾けなくなり、私は脱落してしまうのですが、そうなっても先生は弾くのをやめません。


仕方が無いので適当な個所で合流するのですが、また途中で脱落します。こんなことを繰り返して最後までいく間に、あまりの弾けなさに落ち込んでしまいます。ああ、これじゃあレッスンにならないなと、次回までにはなんとかしてくるわけですが、果して先生がそれを狙っていたかどうかは謎です。

とりあえず最後まで弾ききることができるようになった段階でも、小品であればそれなりに全体の雰囲気をつかまえ、まあまあ音楽的にも形を整えることができるのですが、さすがにこの曲はだめで、平坦な表現になってしまいました。


全体の形式を考え、きちんとメリハリをつけながら音楽的にまとめるには楽譜を分析する必要があったようです。

第1主題と第2主題が全体の中でどのように現われているかを意識し、符点が曖昧にならないように、また三連符はダレないようにそれ以外の部分との違いがわかるくらいの勢いを持って弾くことを心がけて全体をまとめていきました。

(記:2002年9月21日)


ブログランキングに参加しています。

にほんブログ村 ベンチャーブログ ベンチャー社長へ
にほんブログ村 応援よろしくお願いします。