チャイコフスキーの「イタリア奇想曲」を聴くと、中学生のころのいくつかの場面がフラッシュバックします。
中学生のころは、お小遣いは1000円くらいでしたから、廉価版のLPレコードを買うのも苦労しました。
やっと買った1枚を、文字通り、擦り切れるくらい聴いていました。
17センチのレコードというのもあって、曲数は少ないのですが、700円前後で買えたと思います。
そんなレコードの中に、「イタリア奇想曲」がありました。
指揮者はキリル・コンドラシンで、リムスキー・コルサコフの「スペイン奇想曲」がカップリングされていました。
キリル・コンドラシンは、1914年にモスクワに生まれ、1981年の67歳のとき、心臓発作で他界しました。
新宿のタワーレコードをぶらぶらしていると、同じカップリングのCDを見つけました。
帯には、「XRCD+SHMによる新次元の音楽空間」という文字があり、トータル31分しかないのに、3800円もするCDです。
これが、半額以下になっていたので、懐かしさもあり、購入して聴いてみました。
もともと名録音だったものが、今の技術でさらに高音質になり、高音が鮮明で、管楽器やトライアングルなどが実にリアルでした。
演奏は名演奏だとは思いますが、なぜか昔ほど感動しませんでした。
今の自分の中にある「イタリア奇想曲」とちょっと違っていたからかもしれません。
この曲のマイベストは、やはり中学生のころ廉価版で手にした、パウル・ファン・ケンペンという指揮者の録音です。
チャイコフスキーの交響曲第5番とのカップリングでした。
モノラル録音ですが、空気感、テンポ感、最後の追い込み方などが、自分にはぴったりと合っていました。
もっといい演奏はあるのかもしれませんが、10代に出会った名演奏は、無意識のうちに自分のリファレンスになってしまうようで、それを越える演奏に出会うことはなかなか難しくなっています。
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