恋沼さんの体験記を手に入れてから、小屋を建ててみようと決心をしたものの、まず土地をどうやって探したらいいかわかりません。そもそも、いくらくらいするのかさえ、検討もつきませんでした。


なんとなく想像がついたのは、正攻法、つまり別荘地に行って、そこで分譲地を買うのは金銭的に無理だろう、ということでした。


そこで、書店の本棚を探すと見つかったのが、「リゾート物件情報」(白馬ライフ)という月刊情報誌。


100万円くらいからの物件がたくさん紹介されていました。

夢の実現に一歩近づいた気がしました。


その雑誌から候補をいくつか選び、池袋にあった白馬ライフに行き、詳細情報を手に入れました。


次は現地調査、ということになるわけですが、その当時、私は車を持っていませんでした。というより、運転免許すら持っていませんでした。


手段は自転車しかありません。


自転車をたたんで電車に載せ、最寄り駅で組み立てて現地まで走る、というパターンです。そうして、富士山周辺、千曲川周辺、浅間山周辺を走り回りました。


たいていが山なので、峠を越えるのはなかなか大変です。

それでも富士山周辺からは八王子あたりまで、浅間山周辺からは、吾妻渓谷側を走ると、高崎あたりまで下りが多いので、帰りは楽しみでした。


まじめな社長のふまじめなブログ-20100423_隠れ家1
走り回ったときの自転車。

当時は自転車に凝っていました。

この自転車で1回だけ、「雪印スノウカップ」という

アマチュアのロードレースに挑戦しました。

若かったんだなあ。


北軽井沢の物件も、軽井沢側から行くと峠を一つ越えなければなりません。


中軽井沢駅で自転車を組み立てて、峠を目指して走り始めました。追い抜く車の窓からは、「がんばれー!」という声が何度もかけられました。


そういうことが普通にあった時代でした。


やっとの思いで峰の茶屋にたどり着き、そこからは物件まで一気に下り。早く土地が見たくて、汗びっしょりになりながら、全速力で飛ばしました。


20分くらいで着くはずが、いくら走ってもそれらしい場所にたどり着きません。


1時間ほど走ったところで小さなお店があったので、飛び込んで聞いてみると、どうも分岐点を間違えて、かなり下ってきたことがわかりました。


・・・ショックでした。


そのときは、もう4時を過ぎていたので、今から引き返すのは無理そうです。今日は、第一候補の物件が含まれていたので、あきらめ切れない思いでした。


よほどがっくりとした様子に見えたのか、店の旦那さんの口から、信じられないことばが出ました。


「乗っけていこうか?」

「えっ?」

「うん。このあたりは詳しいからすぐにわかるよ。まだ時間があるなら、案内してあげるよ。」


旦那さんの言葉に、甘えることにしました。


「まあ、お茶でも飲んで休んでからにしなさい」

というおばあちゃんの言葉にも甘え、居間で熱いお茶と、美味しい漬物をご馳走になりました。


昼食も抜きで無我夢中で走っていたので、出されたお皿一杯の漬物をたいらげ、元気を取り戻してから、軽トラックで物件に向かいました。


(つづく・・・)


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