最初の隠れ家を手に入れようと決心したのは、1985年の8月の暑い日、28歳のときでした。
いつものように、大好きな御茶ノ水までサイクリング車で行き、お決まりのコースの最後に丸善に寄りました。
そこで手に取った1冊の本。それが、すべての始まりでした。
その本は、「ウッディライフ」の別冊付録。
タイトルは、”出来た!僕のログキャビン”。
当時コピーライターとして活躍していた恋沼薫さんが、素人ながら「エイッ、やってしまえ!」と丸太小屋つくりに取り掛かり、完成させるまでの体験記です。
その本の最初の一文に衝撃を受けました。
「自分が住む家を、自分で選んだ場所に、それも大自然の中に、出来れば自分の手で建てたい。だれもが持っている想いだ。」
毎日、通勤電車の中でバイブルのようにして読んでいたので、
ボロボロになってしまいました。
その時は、会社に入って3年目。会社のことも、少しはわかってきた頃です。エレクトロニクス関係の会社に勤め、毎日、電話やFAX(当時はメールはありません)で仕事をこなしている気になっていました。
でも、冷静に考えてみると、「動物として生き抜く」という点では、衣食住のどれも直接生み出せる能力は無いわけで、これは人間である前に、動物として失格ではないか、そう思っていたのでした。
そんな時に出会ったのが、恋沼さんの体験記です。
すぐに、これだ!と思いました。
サイクリング車を飛ばして家に戻り、妻に話しました。
「これ、やろう!これしかないよ!」
貯金は、50万円くらいしかなくて、それで実現するのかどうかはわからなかったし、果たして自分で小屋を建てられるのかどうかもわかりません。
でも、「これしかない!」と思ったのでした。
そして、北軽井沢の土地を手に入れたのは、その翌月でした。
(つづく・・・)
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