人生の中で、お互いに「親友」とよべる人が3人現れれば、自信を持って幸せな人生を送っている、と言ってよいと思います。
私が親友と呼べる友人の一人に、ジングという映像制作の会社を経営している「じんさん」がいます。
彼との出会いは、もう25年以上前のことです。
私は入社して間もない時で、新人として初めて任された大きな仕事の相手として、じんさんに出会いました。
一方、じんさんは、ディレクターとして完全に仕事を任された初の仕事の相手として私と出会う事になりました。
その仕事は、3年近く続きました。
それから、5年に1回くらいしか会わなかったのですが、なんとなく、お互いに「親友」だと思っていました。
うまくはいえませんが、「はずしてはいけないことの価値観」「大切にしなければならないことの価値観」が同じだったように思います。
約7年前の同じ頃に、起業をしてからは、理由をつけては呑むようになりました。
今日は、そのじんさんがプロデュースする、
「語り会”えん”第3回公演」に行ってきました。
「語り会」は、「かたりえ」と読みます。
朗読の会です。
場所は、目白の静かな住宅の中にある、「アイピット目白」。
雰囲気のある「アイピット目白」のエントランス。
語りと作品は、次の内容でした。
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柳亭左龍さん
「トイレ掃除童子」 イケタニマサオ作
内藤和美さん
「木馬は廻る」より 江戸川乱歩作
窪田等さん
「青い火花」 浅田次郎作
津野まさいさん
「びんぼう神様さま」 高草洋子作
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柳亭左龍さんは、人情噺を語らせたら日本一の「柳家さん喬師匠」門下の、真打の噺家さん。
内藤和美さんは、語りの世界では大ベテラン。
窪田等さんは、 『情熱大陸』でおなじみの、ナレーター。
津野まさいさんは、「今週の第3位・・・」の声で、誰もが耳にしたことがあると思いますが、『アド街っく天国』でおなじみの、ナレーター。
どなたも「声」をお仕事としている方ですが、まったく違う世界の「語り」に挑戦しているわけです。
たとえば、左龍さんは、噺家の大切な道具である「扇子」や「手ぬぐい」、そして手振り身振りを極力封印しての「語り」です。普段の噺のように、自由にやってもいいはずですが、そうすると落語になってしまいます。
あえて語りに挑戦する左龍さんのステージは、緊迫感があって、毎回感動させてくれます。
内藤さんは、さすが、語りのプロ。
一応本を手に持ってはいますが、全部覚えているのでしょう。
視線が会場を自然に飛び回り、語りから空間の広がりを感じさせてくれます。
品のある色香にもドキリとさせられます。
窪田さんも津野さんも、人物になりきって台詞を話すという意味では、その道のプロではありません。
でも、語られた内容は、圧倒的な描写力で、涙を止めるのが大変でした。
窪田さんの「青い火花」は、浅田次郎の傑作です。
文章のどこにも隙がありません。
そこに、『情熱大陸』の窪田さんの語りが加わるのですから、たまったものではありません。
前回も同じ作品で聞いているので、クライマックスが来る前に思い出し、感情を抑えるのに苦労しました。
津野さんの、「びんぼう神様さま」は、むかしばなしの体裁なのですが、生きていく上で何が大切なのかを改めて教えてくれる、すばらしい作品でした。
津野さんの語りは、言葉と言葉の間が絶妙で、すべての内容が頭に入ってきます。
語るスピードと間合いが、自分の頭の中で情景を組み立てる速さとピタリと合っているので、流れるように話しの核心に入っていけるのです。
最後に、津野さんによる出演者の紹介があったのですが、肝心の自分自身の紹介を忘れ、左龍さんに突っ込まれるという一場面がありました。
津野さんらしくて、温かいハプニングでした。
今日の語り会を通して勉強した大切なことはたくさん。
特に、「青い火花」で年老いた写真家が、息子に語った、
「おまえの仕事は優しさが無いからだめなんだ」
は、心に残りました。
「松山」で飲みましょうね。
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