ソリューションゲートを立ち上げて今年で7年目です。
前の仕事は、半導体の試験装置をはじめとする計測器メーカーだったのですが、出身大学が教育系だったせいか、勤めていた20年間、ずっとお客様の教育の仕事をしていました。
おそらく、海外も含めて5000人以上のお客様の教育をしたはずです。
会社を退職して会社を作るとき、教育関係のことをやろうと思ってはいましたが、具体的には決まっていませんでした。さあどうしようか、と考えていたとき、ある出会いがあって、小学生向けの算数教材に着手することになりました。
小学生と言ってもいろいろなジャンルがありますが、選んだのは「中学受験」の世界。
初めて中学受験算数の問題を見たときには、仰天しました。
解き方なんか、さっぱりわからない。
やっと理解して、他の問題を見ると、解けそうもない問題の大海原!
めげないで勉強していくと、だんだんその面白さがわかってきました。
解き方がわかったとき、出てくる言葉は、2つ。
「おー!」
「なーんだ、そういうことかぁ」
解くための発想の面白さに感動して、まずは「おー!」
わかってしまえば、「なーんだ・・・」
中学受験算数は、こういう世界なんです。
難問は確かに多いのですが、大切なのは、柔軟な発想力と物のとらえ方。
教材開発をビジネスの柱としようと決めたとき、子供たちが「おー!」と歓声を上げ、解き方がわかったとき、「なーんだ、かんたんじゃん」と言ってもらえるような教材つくりを目指そうと決意しました。
「なーんだ、そういうことかぁ」には、もう少し言葉が続きます。
「なーんだ、そういうことかぁ。そうならそうと言ってよ」です。
解説から考え方の本質が伝わる教材が実に少ない。
1問理解することで世界が広がるような温度感を持った解説が少ない。
まだまだ、入り込む余地はあるな、と思ったのでした。
それから6年が過ぎました。
少しずつ形になってきたとは思いますが、納得できるレベルまでは、まだまだです。
ゴールは、見えていません。
たぶん、今のテクノロジーの、少し先に、私の想像力の範囲で納得できるゴールが待っているような気がします。
その前に、今できることで最高のものを作っておかなくては。
その姿勢がないと、環境が整っても、ホンモノはできません。
本質はすでに古くから伝わっている先人の知恵にあり、それを最大限に良いものとして具現化するのがテクノロジーですから。