みなさま、お盆休みはいかが過ごされましたでしょうか?
当院も3日間お休みをいただきました。
職業柄、遠出や泊りがけの行楽は難しいので、せめてうまい物を食べたいと
以前、お邪魔してとてもおいしかった横浜国際ホテルのランチブッフェ に行ってきました。
横浜国際ホテルさんのブッフェは、ブッフェでよくある「沢山品数があるけど、本当においしく食べられるのは数品しかありませんでした。」的なお店ではなく、
品数は沢山あるわけではないけれど、どれのお料理もおいしくいただけるお店です。
お料理の名前とか味の感想を彦麻呂ばりに説明できればよいのですが、そういったスキルを残念ながら持ち合わせていないので、素人的な発言になってしましますが、
何度通っても、飽きずにおいしくいただけるお店だと思います。
特に、ローストビーフと冷製コーンスープが絶品で何度もおかわりをしたのは言うまでもありません。
へたくそな写真でおいしそうに見えないかもしれませんが、写真載せておきます。
本日は心臓のお薬についてのお話です。
トイプードルや、マルチーズ、チワワなどの小型犬や、キャバリアキングチャールズスパニエルなどの先天的に心臓が弱い犬種では7,8才くらいから少しずつ心臓に異常が出てきて、心臓のお薬を飲むワンちゃんが増えてきます。
すでに、高齢で心臓のお薬を飲んでいるワンちゃんもいるかと思いますが、では、そのお薬がどんな効果があるかご存知ですか?
当院に転院していただいているワンちゃんのご家族の方にお話を伺うと、意外と「心臓のお薬」としか説明をされずに飲んでいるワンちゃんが多いような気がします。
というわけで、心臓のお薬にはどんな種類があって、どんな効果があるかを説明していきます。
1・ACE阻害薬(アンギオテンシン変換酵素阻害薬)
動物医療ではもっともよく使われている「心臓のお薬」です。
主な効果は血管拡張作用です。
このお薬は体内にあるアンギオテンシンⅠという物質がアンギオテンシンⅡに変換されるのを邪魔するお薬です。
アンギオテンシンⅠは、腎臓でアンギオテンシンⅡという成分に変換されます。
アンギオテンシンⅡには強力な血管収縮作用があります。
血管が収縮すると当然血管が細くなるので、血管の中を通る血液にかかる圧力(血圧)が上昇します。
血圧が上昇すると心臓にかかる負担が大きくなるので、心臓病を悪化させてしまいます。
アンギオテンシンⅠからⅡへの変換を邪魔する薬(ACE阻害薬)を内服することによって、アンギオテンシンⅡの産生が減るので血圧が上がるのを防止してくれます。
また、アンギオテンシンⅡの産生を抑えることにより、利尿作用も期待できるので体内の余分な水分が排泄されて、さらに心臓への負担が軽減されます。
ACE阻害薬には各製薬会社から様々な似た成分のお薬が発売されています。
どのお薬もアンギオテンシンⅠがⅡへ変換するのを邪魔する作用があるのですが、お薬が体のどの部分で分解されて排泄されるのかが異なってきます。
お薬が腎臓から尿として排泄される薬の場合、腎臓が悪いワンちゃんにはさらに腎臓に負担をかけてしまいますし、また同様に、肝臓や胆のうから排泄されるお薬であれば肝臓が悪いワンちゃんには慎重に投与をしなければなりません。
このように、お薬ごとにその特徴やワンちゃんとの相性もありますので、かかりつけの先生とよく相談をして、皆さんのワンちゃんと最も相性が良いお薬を見つけていただければと思います。
次回につづく。