3連休、皆様いかがお過ごしになりましたか?
当院は残念ながら連休とは縁がなく、通常通り診療をしておりました。
さて、これから、夏休みに突入します。
ニュースなどで7月20日から夏休みに入る学校が多いため、消費される電力が大幅に増えるのではないかと警戒されているようです。
人間の医療機関と異なり、動物の医療機関は電力についての公的なバックアップはないようなので、停電にならないように祈るばかりです。
連休、夏休みといえば、海や山などの観光地へワンちゃんとお出かけされるご家庭も多いかと思います。
この時期に病院で相談が多いことと言えば、ワンちゃんの「車酔い」です。
人間と同じように車に酔いやすいワンちゃんもいれば、そうでないワンちゃんもいます。
最近は高速道路のパーキングエリアにもドッグランが作られたり、ワンちゃんと一緒に宿泊できるペンションなども増えつつあるのに、肝心のワンちゃんが車酔いでお出かけできないのはとても残念ですよね。
そんなワンちゃんの車酔いに悩むご家族の方に朗報です。
ワンちゃんの車酔いで最も多くみられる嘔吐を、かなりの確率でストップできるお薬が発売されました。
今まではワンちゃんの車酔いには、胃酸を抑えるお薬や鎮静剤などが使われていました。
胃酸を抑えるお薬は、胃の中に胃液がたまりづらくなるので、吐くものが無くなって嘔吐を抑制する効果が期待できるのですが、吐き気そのものを抑制する作用はないので、それほど強い効果は期待できませんでした。
鎮静剤は脳に働き掛けて、嘔吐中枢を刺激しないようにぼんやりとさせるお薬なので、投与量が多すぎるとお薬の効果が切れるまで虚ろになってしまうこともあって、投与量の調節が難しく気軽に飲んでもらえるお薬ではなかったのです。
今回新しく発売されたお薬は、脳の中の吐き気をコントロールする嘔吐中枢に効果的に働き掛けるお薬なので、胃酸を抑えるお薬よりも効果的で、鎮静剤よりも安全に飲んで頂くことができます。
当院でも早速車酔いに困っているワンちゃんに処方させて頂いておりますが、なかなか良好な効果が得られています。
今まで、どんな車酔い止めのお薬を飲んでも必ず吐いていたワンちゃんが、一度も吐かずにお出かけが出来たというお話もありました。
車に弱いワンちゃんとお出かけの予定がある皆様、お出かけの前にぜひ一度動物病院にご相談ください。