本日は休診させていただき、母校にて開催された日本獣医がん学会に参加してきました。
卒業して7,8年経つと、知らない建物が建っていたり、講義の出欠席のチェックシステムが自動化していたりと、時間の流れを少しずつ感じるようになってきました。
ただ変わらないものもありまして、6年間毎日のように何往復もしたポプラ並木は健在でしたので、ホッとしました。
ちなみに、左手見える掲示板には定期試験での合否判定と追試の日程が貼り出される掲示板で、年に2回恐る恐る見に行かなければならないものです。
ちなみに私の名前も常連さんだったような気が・・・・。
さて、肝心の学会の内容ですが。
現在、10歳以上のワンちゃんの死因の40%以上が癌などの悪性腫瘍といわれているそうです。
たしかに、私の経験上でもシニアのワンちゃんの死因を振り返ってみると、腎不全や心不全も多いですが、それと同じぐらい、悪性腫瘍のワンちゃんがいたように思います。
一口に悪性腫瘍といっても様々なものがあり、皮膚にできる腫瘍や内臓にできる腫瘍、血液の腫瘍など、腫瘍の種類が異なれば、治療法も当然異なります。
手術で切除することもあれば、抗がん剤を使うこともありますし、放射線療法や、免疫療法なんていうのもあります。
抗がん剤も、昔は癌細胞を攻撃しながら、健康な細胞まで攻撃してしまっていたので重大な副作用が出ることもありましたが、最新の抗がん剤は癌細胞に標的を絞って作用するものなんてのもあります。
また、自分の血液を採取して、癌細胞をやっつけてくれる免疫細胞を培養して、体に注射する免疫療法なんてのもあります。
悪性腫瘍の患者さんを救うために医療技術は日々進歩しています。
人間の悪性腫瘍の治療と同じレベルと言ったら言い過ぎかもしれませんが、人間の最新の効果的な治療法も、動物にも応用が可能か研究されています。
ただ、私達獣医師が人間の医師と大きく異なる点がひとつあります。
それは、私達獣医師の患者さんは、悪性腫瘍の治療の為に苦しい思いをしなければならないことを、理解できないのです。
そのため、人間の悪性腫瘍の治療よりも、さらに患者さんに負担がかからないような治療法を選択していかなければなりません。
1日も早く、悪性腫瘍を患者さんの負担なく治療できるようになることを期待しつつ、技術の進歩に置いていかれないように勉強をし続けなければと、思い直す1日でした。
思い出番外編
学生時代に毎日のように研究室で食べていたお弁当屋さんも健在でした。
久しぶりに食べてみたいなと思っていたのですが・・・。
まさかの定休日でした。
残念。