昨晩はいきなりの土砂降りでした。
友人と食事に出ていたのですが、食べるだけ食べ、
呑むだけ呑んで外に出たら雨だったので、
ちょっと凹み気味な帰宅でした。
昨日お邪魔したお店は「一波(いっぱ)」さんというお店で、沖縄料理が出る居酒屋です。
感動したのは私が愛してやまない芋焼酎の種類の多さです。
魔王や伊佐美はもちろん、佐藤や杜氏潤平など普通の居酒屋で飲めない芋焼酎が
そろっていたのでついつい呑み過ぎてしまいました。
さて、本日は前回に引き続きカビのお話です。
本日のカビはマラセチアというカビについてです。
マラセチアとは酵母菌の一種です。
身近な酵母菌には、納豆を作るのに必要な納豆菌や
お父さんの味方のビールを造るために必要なビール酵母、
それから、パンを作るときに必要なイースト菌などがあり、
私たちの生活になくてはならないものばかりです。
しかしながら、マラセチアは私たちの生活に必要なカビではなく、
私たちの大切なワンちゃんや猫ちゃんの体の表面についていて、
皮膚病や外耳炎の病原体となります。
上に書いたとおり、マラセチアというカビは健康なワンちゃんや
猫ちゃんの体の表面に日常的に付着しています。
カビが付着していても、健康な状態であれば皮膚の表面の免疫によって、
カビの増殖を抑えて、病気にならないようにしてくれています。
しかし、体調を崩していて免疫が弱っていたり、
カビの増殖にとって適した環境(温かく、ジメジメした環境)が整うと、
カビの増殖力を免疫が抑えることができなくなり、
皮膚病や外耳炎を引き起こします。
・マラセチア性皮膚炎になると
脱毛、痒み、茶色~黒色のシミ、肥厚(厚く硬い皮膚)、独特の臭いなどの症状がでます。
部分的に出ることもあれば、全身性に出ることもあります。
治療は抗真菌薬を配合したシャンプーによる薬浴や抗真菌薬の塗り薬を塗布します。
重症例では、抗真菌薬の飲み薬が必要になります。
・マラセチア性外耳炎になると
外耳炎になりやすいのは、ゴールデンレトリーバーやダックスフント、
シーズー、プードルなどの垂れ耳の犬種です。
垂れ耳のワンちゃんは、耳道が耳がたれているために蒸れやすく、
通気性も悪いのでカビの繁殖にとって、最適な環境を自然と提供してしまっているのです。
痒み、耳道の赤み、腫れ、茶色~黒色の耳垢、独特な臭いなどの症状が出ます。
治療は、こまめな耳の洗浄と、抗真菌薬の点耳をおこないます。
一旦、発症すると完治は難しく再発することが多いですが、定期的な処置を行うことによって
重症化することを防ぐことが可能です。
梅雨時期から夏場にかけて、マラセチアが原因で病院に来院される患者さんは非常に多いです。
初期症状で治療が開始できれば改善も早いですが、治療が遅くなるとそれだけ改善するまでに
時間がかかります。
皮膚症状や耳の臭いに異常を感じたら、早めの受診をお勧めいたします。