皆様、GWはいかが過ごされましたでしょうか?
当院も5月4日が水曜日の休診だったため、お休みを頂いてパシフィコ横浜で行われた、「ペット博」に行ってきました。
会場内は見渡す限り、可愛く着飾ったワンちゃんたちであふれていて、さまざまなペット関連の企業がブースを出していました。
トレーナーさんによるしつけ講座なども行われいて、皆さんのワンちゃんに対する意識の高さを再認識することができました。
今回、ペット博で一番私が驚いたブースの写真を下にはります。
すごいっす。
ベルばら的な感じです。
残念ながら、私の身近にはこの服を着せてくれそうなネコちゃんはいませんが、実際にこの服を着たネコちゃんを生で見てみたいような気が・・・。
今回はフィラリア症についての続きで、フィラリア症の予防方法について書いていきます。
まず、皆さんが一般的に「フィラリアの薬」と言っている薬は、正確には「フィラリア症の予防の薬」なんです。
ですから、フィラリアのお薬を飲んでもフィラリアに感染しないわけではないのです。
では、フィラリアの薬はどんな働きをしてくれるのでしょう。
フィラリアの薬にはイベルメクチンやモキシデクチンなどの駆虫作用(虫下し)がある成分が入っています。
これらの成分はミクロフィラリアやフィラリアの幼虫を駆虫する作用があります。
ここで少しおさらいです。
フィラリアの幼虫にはさまざまなステージがあり、蚊から感染直後の幼虫をL3幼虫、感染してから3~10日後にL4幼虫となります。その後40~60日前後でL5幼虫となります。
L3.L4幼虫は皮下組織や筋肉内で成長して、L5幼虫になると血管に侵入して心臓へ向かいます。
フィラリアの薬は主にL4幼虫に強力に作用するといわれているので、L5幼虫になって血管に侵入する前(感染後40日経過する前)に、皮下組織や筋肉内で駆虫をする必要があるのです。
簡単に言うと、フィラリアの薬はフィラリアに感染するのを予防するのではなく、感染してしまったフィラリアが手遅れになるほど成長する前に、駆虫をしてくれる作用があるのです。
フィラリアの薬には錠剤タイプのものやお肉のブロックタイプのもの、ソフトクッキータイプのものなど、さまざまなタイプの薬があります。
どのお薬も多少成分に違いはありますが、作用はほとんど同様のものなので、ワンちゃんが内服しやすいものを選んでいただければと思います。
それから、もう一つ大切なことがあります。
フィラリアの予防を始める前に、フィラリアに寄生されているかの検査をする必要があります。
フィラリアの予防薬にはフィラリアの幼虫だけでなくミクロフィラリアを駆虫する作用があります。
ミクロフィラリアとはフィラリアの成虫から生まれる幼虫で、血管の中で生活をしています。
ミクロフィラリアが血管内にいる状態で、フィラリアの薬を内服すると、血管内で一度にミクロフィラリアが死滅します。
ミクロフィラリアが死滅するときに出す分泌物は、ワンちゃんに対して毒性があり、元気がなくなったり最悪の場合ショック死をする可能性があります。
そのため、フィラリアの薬を内服する前には血液中にミクロフィラリアがいないか検査する必要があるのです。
また、ミクロフィラリアは夕方のほうが血管内で活発に活動する傾向があるので、検査に行く時は夕方以降に行くとよいといわれています。
最後にフィラリアの薬を飲む期間についてですが、蚊が出始めてから1カ月以内に内服を始めて、蚊がいなくなった1ヶ月後まで内服をすると確実な予防ができます。