東北大震災から約1月半経ちましたが、まだまだ余震が続いていて、なかなか気の休まる状態にならないですが、皆さんのワンちゃんや猫ちゃんは体調を崩していないでしょうか?
私の自宅にいるフクロウは、余震のたびに止まり木の上で前後左右に地震に合わせて揺れています。
地震はやはり怖いですが、居眠りしたまま地震に揺られるフクロウを見ていると、少し心が和んで恐怖心が和らぎます。
一日も早い復興を心より願います。
さて、前回は、フィラリア(犬糸状虫)の大きさや、ライフサイクルについてお話をさせていただきましたので、今回はその続きということで、フィラリア症についてお話ししようと思います。
フィラリア症とはフィラリア(犬糸状虫)に寄生されることによって、さまざまな症状が出る寄生虫症のことです。
フィラリアは主に心臓や肺に寄生するため、呼吸器や循環器の症状が出やすいです。
では、フィラリア症になると、どんな症状が出るのでしょう。
・軽度感染では
無症状の場合もしくは、ときどき咳をする程度
・中等度感染では
行動が以前よりも大人しくなる
咳の頻度が程度感染時より増える
・重度感染では
労作性呼吸(息苦しそうな呼吸)
腹水の貯留
喀血(血を吐く)
失神
前述したとおり、フィラリア症の症状のほとんどが心臓と肺に障害が起きたことによるものです。
幸い、当院では開院以来、フィラリア症の症状が出ているワンちゃんはいませんが、以前勤務医をしていた頃には、田舎だったため、何度かフィラリア症の重症例のワンちゃんを目にする機会がありました。
やはりどのワンちゃんも、日常生活に支障が出る程度の咳と、興奮時や激しい運動時の失神が認められました。
また、腹水がたまって、定期的に腹水を抜きに来ていたワンちゃんもいました。
一昔前までは、フィラリア症はワンちゃんの死因として上位に上がるほどの深刻な病気として認知されていましたが、フィラリア症予防薬の普及によって、最近ではフィラリア症が原因で亡くなるワンちゃんは少なくなっています。
少なくなったとは言っても、重症例では死亡率が高い病気なので、確かな予防を心がけていただきたいと思います。
次回はフィラリア症の予防についてお話をしたいと思います。