2月3日は節分ですね。
当院にも節分仕様のフクロウたちがいます。
当院のイメージキャラのフクロウのぬいぐるみと、お面を作っていただきました。
さて、節分といえば恵方巻き。
恵方巻きとはもともと関西発祥の行事で、
恵方(吉方位)を向いて太巻きを丸かぶりする行事です。
ここ数年、コンビニエンスストアやスーパーなどの企業努力で全国的に浸透して、
関東でも通常に行われる行事になりつつあります。
しかし、本当に私たち日本人はイベント事に弱いなと思ってしまいます。
おそらく今年も私は関西出身でもないのに、
なんとなく縁起がいいのならとりあえずやっとくか的な感じで、
恵方巻きを丸かぶりしているような気がします。
では、うさぎさんについてのお話の続きです。
今回は内臓についてです。
まずは胸部の臓器です。
胸部には心臓と肺があります。
うさぎさんの胸腔は前回のお話にあったとおり、ワンちゃんや猫ちゃんと比較すると小さいです。
そのため、当然心臓や肺も小さくなるわけです。
下のうさぎさんのレントゲン写真を見れば一目瞭然ですが、腹部に比べて胸部が小さいです。
また、心臓の位置もワンちゃんと比較すると頭の方に寄っています。
次は腹部の臓器です。
腹部には胃、十二指腸、小腸、盲腸、大腸、肝臓、腎臓、膀胱などがあります。
うさぎさんの腹部の臓器で特徴的なことはいくつかあり、
そのうちのひとつが胃です。
私たち人間やワンちゃんなどは食べ過ぎたり、食中りで吐くことがあります。
また、猫ちゃんは換毛期になると毛づくろいをして胃の中にたまった毛玉を吐くことがあります。
しかし、うさぎさんは構造上吐くことができないようななっています。
そのため、換毛期に毛づくろいした毛はそのまま胃の中に残ってしまい、
やがて毛玉となり毛球症になってしますのです。
もうひとつの特徴は盲腸です。
うさぎさんはご存知のとおり完全草食獣で、植物を栄養源として吸収するためには、
腸内にいる細菌が働きがとても大切になります。
その細菌が働く場所が盲腸です。
そのため、うさぎさんの盲腸はびっくりするくらい大きく、
お腹の中のほとんどを盲腸が占めている感じです。
もちろん、盲腸以外の小腸や大腸も長く、
体長の10倍くらいの長さがあるといわれています。
また、うさぎさんは食べ物を一度で消化吸収するのではなく、
一旦ある程度消化した便を再度肛門から直接食べて完全に消化吸収します。
この行為を食糞といい、そのときに食べられる便を盲腸便といいます。
ちなみに盲腸便は通常の便と比較して小さく(3~5ミリ)、やわらかく、
いくつかの便とくっついていてぶどうの房みたいな見た目をしています。
盲腸便を上手に食べられないと、栄養不足になってしまうので、
ケージの床に盲腸便がたくさん残っているようなことがあれば、
動物病院で診察を受けることをお勧めします。
3回にわたって、うさぎさんの体の特徴についてお話をさせていただきました。
うさぎさんはワンちゃんや猫ちゃんと比べると、様々な身体的特徴があります。
そのため、動物病院によっては診療を拒否されてしまうことも多いです。
うさぎさんブームでうさぎさんを取り扱うペットショップさんが多くなってきていますが、
うさぎさんを診療できる動物病院が同じように増えているかというと、
残念ながらそれ程増えているわけではありません。
うさぎさんをご家庭に迎えたいあるいは迎える予定のある方は、
ぜひ迎える前にご近所にうさぎさんを診療できる動物病院があるか
調べていただくことをお勧めします。