さて、うさぎ年企画の第2回目です。
本日は、うさぎさんの骨についてのお話です。
うさぎさんのレントゲンって見たことってありますか?
当院はうさぎさんが来院されることが多いので、一般の病院よりも
うさぎさんのレントゲンを撮る機会が多いです。
レントゲンの説明をさせていただく際に、ご家族の方は必ずあまりの骨の細さに驚かれます。
うさぎさんの骨の重さは全体重の7~8%程で、人間では15%程度といわれています。
物理は得意ではないので、人間と比較してどれくらい骨が折れやすいかはわかりませんが、
うさぎさんはかなり骨が折れやすいことは想像できると思います。
それでは、個々の部位についてお話していきます。
まずは頭部。
最も話題になりやすいのが、歯の部分です。
うさぎさんの上顎の前歯は大切歯と小切歯という二枚の歯が重なっています。
ご家庭で確認するのは難しいかもしれませんが、うさぎさんの口をあけてみると
確かに二枚歯になっているのがわかります。
マウスを使った下手な絵ですが、下のような感じです。
次は胸部です。
皆さんは人間の肋骨が何対あるかご存知ですか?
通常、人間を含めてワンちゃんや猫ちゃんなど哺乳類の肋骨は13対あります。
しかし、うさぎさんの肋骨は12対しかありません。
肋骨と同様に胸椎(胸部にある背骨)も12個しかありません。
そのため、うさぎさんの胸腔(胸の空間)は狭く、肺活量もとても少ないです。
次は腹部(腰部)です。
うさぎさんの腰椎は胸椎と比較してとても長い構造をしています。
腰椎が長いということは、当然腹腔(おなかの空間)も大きくなります。
これは、うさぎさんが完全草食獣で牧草などを消化するために、とても長い腸を持っているからです。
最後は後肢です。
私たち人間やワンちゃんの後足は、上から順に大腿骨、膝蓋骨があって、その下に脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)が二本並んであります。
ところがうさぎさんの場合、脛骨と腓骨が真ん中あたりからのくっついて一本の骨になっています。
このように、骨の構造だけでも、私たち人間と身近な動物である、ワンちゃんや猫ちゃんとだいぶ異なる部分があるのです。
では、次回は内臓についてのお話をしたいと思います。