お鍋がおいしい季節になりました。
先日テレビの某番組で、食べ放題のしゃぶしゃぶ屋さんで、

どれだけ食べれば元が取れるかという企画をやっていました。
お肉だけならば、一人5皿食べたら元が取れるそうです。
肉好きの私としては、ぜひ挑戦せねばと、意気込んで行ってまいりましたが

見事惨敗して帰ってきました。
学生の頃はこれでもかって食べられたはずなのに、

思ったほど食べられなかった自分にへこみました。



それはさておき。
前回に引き続いてデンタルケアについてのお話です。

本日は歯磨きトレーニング実践編です。


ワンちゃんにとって口は牙がある大切な武器になる部分です。
ワンちゃんとの信頼関係が築けていないと、触ることさえ許してくれない場合があります。
まずは、ワンちゃんのお口を触るところからはじめてみましょう。


ワンちゃんのお気に入りのおやつなどを用意します。
鼻先におやつを持って、「待て」の号令をかけます。
そのときに、ワンちゃんとご家族の方との視線をおやつ越しに合わせると、

アイコンタクトのトレーニングになります。
ワンちゃんの意識がおやつに集中しているのを見計らって、そっと鼻筋を撫でてあげてください。
触らせてくれてたら、ご褒美でおやつを与えてください。
徐々に下顎や、口唇(口のビラビラの部分)を触っていって、お口を触ることに慣れさせていきましょう。



お口を触れるようになったら次のステップです。
前のステップと同様におやつでワンちゃんの意識を集中させて、

マズルを上からやさしく包むように手を添えてください。
手を添えることができたら、口唇を親指でめくってそのまま歯や歯茎を触ってみましょう。
歯を触られることに拒否するワンちゃんの場合は、歯を触らせてくれたら、

鼻先にあるおやつをご褒美としてあげてください。
根気よく繰り返すことによって、歯を触られるとご褒美がもらえるという学習をします。



歯を触らせてくれるようになったら、次のステップです。
次は前歯から奥歯までの全体を触れるようにしましょう。
前のステップで歯を触った親指をそのまま奥歯の方に滑らせて、

歯や歯茎を満遍なく触っていきましょう。
満遍なく触らせてくれたら、鼻先にあるご褒美を与えてください。



ここまでできたら、ガーゼを巻いた指での歯磨きが可能になります。
ガーゼを用いた歯磨きでも、歯の表面についた汚れを取ることは可能なので、

ぜひ実践してみてください。


ポイントは目的を達成するまで、ご褒美を与えないことです。
ワンちゃんがイヤなことを我慢してやらせたらご褒美がもらえるということを学習していくと、
今までイヤだったことがご褒美がもらえる嬉しいことに変わります。
歯磨きの準備をしたら、ワンちゃんが喜んで近くに寄ってくるようになったらしめたものです。
また、どうしても歯を触らせてくれない場合、ワンちゃん用の歯磨きペーストなどを用いると

導入しやすくなります。
人間用の歯磨き粉を使われている方もいらっしゃいますが、

人間用の歯磨き粉には研磨剤や界面活性剤も入っているので、使わないようにしましょう。



次回はいよいよブラシを使った歯磨きについて書いてみます。




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