本日は(ブログを書き終える頃には「昨日は」になっていそうですが)11月8日、「いい歯の日」です。
ワンちゃんやネコちゃんの歯磨きしてますか?
動物医療の高度化が進んで、昨今のワンちゃんやネコちゃんの寿命はかなり延びつつあります。
また、食餌の質の改善、住環境の改善などなど、動物が長生きできるような環境が整っています。
そんな中、今までは寿命のほうが先に来ていたので重要視されなかった健康面での問題が、寿命の延長によって増えつつあります。
心不全や痴呆症、腫瘍などなど。
今回取り上げる歯科疾患も、そんな長寿命化によって注目を集めている分野のひとつです。
まずは、皆さんのご家庭にいるワンちゃんやネコちゃんのお口の臭いを嗅いでみてください。
どうですか?
無臭の子はあまりないと思いますが、思わず顔を背けたくなるような香りがしていませんか?
そんな臭いがしている子達は要注意です。
ワンちゃんやネコちゃんは人間と異なり、いわゆる虫歯にはなりにくいといわれいています。
逆に、歯磨きをしていないと歯肉炎や歯根膿瘍や歯石の付着がしやすいといわれています。
お口を触らせてくれるのであれば、そっと唇をめくってみてください。
歯の表面が黄ばんでいたり、ごってりと歯石が付いていたりはしませんか?
その黄ばみや歯石が口臭の原因となっています。
ワンちゃんの場合、歯に付着した歯垢が歯石に変わるまでにかかる時間は2,3日といわれいています。
という事は、少なくとも2日に1回は歯磨きをしないと、歯石がつき始めるという事なんです。
黄ばみや歯石がない子達でも、歯と歯茎の境目に紅い線が出ているようであれば、歯肉炎のサインになります。
歯肉炎は、歯周ポケットにたまった歯垢を餌に雑菌が繁殖して炎症を起こしているのです。
そのままにしておくと、炎症がどんどん進んで歯肉が退化して歯がグラグラになって、やがて抜けてしまいます。
ワンちゃんやネコちゃんのお口の中には、ビックリするくらいたくさんの雑菌がいます。
口の中にトラブルを抱えている子達では、更に多くの雑菌が潜んでいます。
それらの雑菌が出す毒素は、心臓や肝臓、腎臓に対しても毒性を持っているため、できるだけ雑菌が増えない環境作りをしてあげなければなりません。
また、それらの雑菌は人間にとっても有害である為、顔を舐められたり噛まれたりすると感染症を起こす事もあります。
特に、小さなお子さんやご高齢の方など免疫力が弱い方がいるご家庭では、是非気をつけていただきたいと思います。
そういったわけで、お口のケアは本当に大切なのです。
次回は、実際に歯磨きの仕方について書いてみようと思います。