いやいや、寒いですね。
無類の暑がりの私ですが、本日ついに諦めて、長袖を着て出勤いたしました。
というか、昨日までTシャツで過ごしてました。
前回のブログに続き、寒い時期に多い病気について書いてみます。
本日は、老齢犬に多い腰痛についてです。
厳密な話しをすると椎間板ヘルニアとか変形性脊椎症とか馬尾症候群とか、
腰痛の原因となる病気はたくさんあります。
痛くなる場所や痛くなる原因とかはそれぞれ違うのですが、治療や予防法は
それほど大きな違いはないので今回は全部ひっくるめて『腰痛』という事で
まとめてしまいます。
まず、腰痛の原因です。
背骨(椎骨)の中には脊髄神経が通っています。
脊髄神経のから分岐をするように、内臓や筋肉をコントロールする神経が出ています。
これらの神経を椎間板という軟骨や、変形した背骨が圧迫したり接触することによって、
痛みが発生します。
圧迫が重度だと痛みどころか、神経が麻痺してしまうので立てなくなったり歩けなくなります。
痛みが生じるとワンちゃん達は動きが鈍くなります。
例としてはお散歩に行きたがらない、背中を押すと突然痛がって吠える、
背中を丸めているなどなど、分かり易い症状から、分かりにくい症状まで様々ですが、
元気がなくなるというのが最もわかりやすいかもしれません。
痛みの症状が出ているワンちゃんには、痛み止めを使って痛みを取ってあげる必要があります。
痛み止めというと、胃腸が荒れるとかだんだん効かなくなるとか、
マイナスイメージもあるかと思いますが、
最近ではワンちゃん専用の痛み止めがあり、胃腸器を荒らさず長期服用が可能になりました。
普通に生活できているのに痛み止めが要るの?
という、ご質問を受けることもありますが、答えはイエスです。
ワンちゃんの腰痛は鋭い痛みの場合もありますが、
鈍痛といって鈍い痛みや慢性痛のような場合が多くみられます。
鈍痛のあるワンちゃんの場合、
活発には動けないけれど普段の生活は問題なく送れてしまいます。
そんな鈍痛のあるワンちゃんに、痛み止めを処方すると、
鈍痛から開放されて突然元気になってしまうなんてことも、よくあるんです。
もちろん、本当に高齢で元気がないワンちゃんの場合は効果はないですが、
高齢が原因か痛みが原因か分からないようなワンちゃんの場合は、
一度痛み止めを試してみる価値はあると思います。
痛み止め以外にも、痛みをコントロールする方法として半導体レーザーや
温熱療法などの理学療法も有効です。
半導体レーザーというのは、レーザー光線を患部に当てることによって、
患部の血流を改善したり痛みをとってくれる作用があります。
レーザー光線といっても火傷したり痛かったりはしないので大丈夫です。
また、血流を改善して筋肉をほぐすという意味では温熱療法も有効です。
寒くなると筋肉が収縮して硬くなるので、いろいろなところに余分な力が加わって、
痛みが強くなることもあります。
お散歩前に背中に40度くらいに暖めたホットパッドを5分くらい当ててあげると、
筋肉がほぐれて動き易くなると思います。
最後にまだまだ若いワンちゃん向けに、腰痛の予防法です。
まず、肥満にならないことが大切です。
お腹に余分な脂肪がたくさん付いてしまうと、
横から見てつり橋のような体型になってしまいます。
つり橋のような体型になってしまうと、背骨に本来の向きとは逆の力がかかってしまうので、
脊髄を痛めやすくなります。
その他には、特にダックスやコーギーなどの胴長短足犬種のワンちゃんでは、
激しい階段の上り下りを減らしましょう。
過保護と思われてしまうかもしれませんが、
階段の上り下りをしているときにワンちゃんの背骨にかかる負担は
非常に大きいと考えられています。
将来の腰痛のことを考えるのであれば、
階段の上り下りを繰り返さなければならない環境にいるワンちゃんの場合、
階段だけは抱っこしてあげてもいいかもしれませんね。