今回は前回に引き続いて熱中症の応急処置について書いていこうと思います。
熱中症になりやすい犬種がいるのはご存知ですか?
フレンチブルドッグやパグ、シーズーなどの鼻の短い短頭種が、
熱中症になりやすいといわれています。
また、犬種に関係なく、肥満や心疾患があると熱中症のリスクが高いです。
猫ちゃんの場合、熱中症になることはあまりなく、
私自身も猫ちゃんの熱中症を治療したことがあるのは数える程度です。
熱中症になるとどんな症状が出るかについて書いていきます。
初期症状では、荒く速い呼吸、速い心拍、口の中の粘膜の乾燥、
ぐったりする(虚脱)、触ってわかる高体温がみられます。
さらに症状が進んで重度になると、肝不全や腎不全を引き起こしますし、
また、脳にも致命的なダメージを与えて意識不明になり、
やがて死亡してしまいます。
お散歩から戻られた後、
上に書いたような熱中症を疑うような症状があった場合、
早急に動物病院での治療が必要となります。
すぐ近所にかかりつけの動物病院があれば、
適切な治療をすぐに受けることが可能ですが、
かかりつけの病院が遠かったり、
休診で他の病院を見つけなければならないときなど、
すぐに治療が受けられない場合には、ご家庭での応急処置が必要になります。
では、本題のご家庭でできる熱中症の応急処置について書いていきます。
室内で生活している小型犬の場合
お風呂の浴槽に入れて、水を溜めながらシャワーを全身にかけて
体を冷やしてあげてください。
早く冷やしたいからといって、浴槽に氷を入れたりしないようにしましょう。
冷やしすぎて、低体温症になってしまいます。
外で生活している、もしくは浴槽に入らない大型犬の場合
庭に水道があればホースから水を全身にかけてあげてください。
その時に、太い血管がある首の付け根や腋の下、股の付け根などを
重点的に冷やしてあげるとさらに効果的です。
どちらの場合も5~10分間の冷水浴をして、体温を下げてあげることで
致命的なダメージからワンちゃんを守ることができます。
また、冷やすときには体温が39.4度以下にならないようにすることが大切ですが、
ご家庭で体温が計れない場合は、
寒さで震えるようであれば冷やしすぎなので、
そのあたりを目安にしていただければと思います。
ある程度体が冷えたら、動物病院に連れて行って適切な処置を受けてください。
以上、熱中症の応急処置について簡単に書いてきました。
熱中症にならないように、お散歩の時間に気をつけてあげることが
一番大切ですが、もし、熱中症を疑うような状態になってしまったら、
かかりつけの動物病院に連絡をして指示を仰ぐようにしてください。
まだまだ、暑い日が続きます。
これから、帰省されたりご旅行に行かれる方も多いと思いますが、
くれぐれも怪我や熱中症にならないように十分に気をつけてくださいね。