サマセット・モーム
『人間 の絆』 より抜粋
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イザ肝腎の場になってみると、
本能、感情、その他なんだかわからないものの手の中に、
彼は、全然手も足もでなかった。
ただ環境と性格という、二つの力に動かされる機械のように、
動いていたのだった。
彼の理性は、いわば横からの傍観者であり、
事実の観察はしていたが、干渉する力は、皆無だった。
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頭では分かっているけど、身体が言うことをきかない。
理性が役に立たない。
そんな経験をたくさんしてきた。
してきてしまった。
でも、仕方がない。
モームも言っている。
その経験でさえも、血肉に変えて
宝にしてみせる。
---y.