積読本のタワーが、現在5本。
いったい何冊あるのか知れぬ。

今朝、出掛けに、そのタワーのなかから何となく選び取って
カバンに入れた一冊から。

目に見えないもの (講談社学術文庫 94)/湯川 秀樹

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1949年(昭和24年)、日本人として初めてノーベル賞(ノーベル物理学賞)を受賞した
湯川 秀樹氏の著作。


全文抜粋する。

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真実

現実は痛切である。
あらゆる甘さが排斥される。
現実は予想出来ぬ豹変をする。
あらゆる平衡は早晩打破せられる。
現実は複雑である。
あらゆる早合点は禁物である。

それにもかかわらず現実はその根底において、
常に簡単な法則に従って動いているのである。
達人のみがそれを洞察する。

それにもかかわらず現実はその根底において、
常に調和している。
詩人のみがこれを発見する。

達人は少ない。
詩人も少ない。
われわれ凡人はどうしても現実にとらわれ過ぎる傾向がある。
そして現実のように豹変し、現実のように複雑になり、現実のように不安になる。
そして現実の背後に、より広大な真実の世界が横たわっていることに
気づかないのである。

現実のほかにどこに真実があるかと問うことなかれ。
真実はやがて現実となるのである。

(昭和16年1月)
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氏が69歳のときの著作。

要は、
現実は複雑でありながら、その根底には簡単な法則があって、
常に調和している、と。


そして、
「真実はやがて現実となる」とするならば
「真実=現実」ということになる。

同じ山を一緒に旅したのに、その思い出話をするとき
各人の感想が異なる、ということはよくある。

とすると、「真実」とは、各人の見方次第と言え、
ひとの数だけ「真実」がある、ということになる。

であれば「現実」も、人の数だけ存在する、ということになる。

だから氏は、「現実は複雑であり」と。


そういうことか、そうなのか。
今日のところは、ひとまずそういうことにしておこう。



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今日も、気で見ていこう