洗濯物をベランダに干していたら、
鼻が、懐かしい匂いをつかまえた。

かすかな、かすかな、香り。

金木犀。


ベランダから見える景色は、
もう見慣れたものだと思っていたのに、
こんなに近くに、あんなに大きな金木犀の木があったなんて。

気がつかなかった。


身近にあるもの。
身近すぎて、素通りしてしまっているもの。

意識が、いつも同じ方向へ、同じ強さで、同じ波で
向いているから、気がつかないこと。



一方、逆の見方をすれば
金木犀のほうが、香りを発散してくれたから、
こちらがそれに気がつくことができた、ともいえる。

ほんのかすかな香りであっても、
私の鼻が、大好きな、懐かしいそれをキャッチできたわけで。

もしかしたら、お隣さんは、気がついていないかもしれない。




レーダー探知機のように、意識を巡らせる。

そして、気がついてもらいたいのであれば、
自分から、発散する。

それが好きな人であれば、キャッチしてくれるはず。

全ての人にキャッチしてもらう必要はないし、
そもそもそれは、土台無理なはなし。



と、そんなことを思った、低い空の曇りの休日。



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今日も、気を香っていこう★