私は昔から洗濯が好きです。
晴れると嬉しくて洗濯機を1日3回は回していました。
雨の日も必ず一回は。
家の中の洗濯物は夜か朝には完璧にゼロにします。

あの子の死後、私はあの子を渇望しました。
あの子の痕跡、あの子の香り…。
引き出しの中の洋服を引っ張り出し嗅いでみたところ、
みんなみんな、私が最近まで好きだったはずの消臭ビーズの香り…。
あの子の香りはどこにもない。

あの子が亡くなった当日の服は処置中に切ったり、血がついたりしていたため、見ると辛いと病院にお願いして処分してもらっていました。

あの子の香りはもうどこにもないと思ったら涙が止めどなく溢れました。

ある時ふと、お骨の前にあの子の制服のネクタイがあるのを見つけました。
ネクタイは洗っていない!!
すぐに嗅いでみましたがなんだか繊維のケミカルな匂いがしてがっかりしました。
でも、もう一度嗅いでみました。
あぁ、ほんの少しあの子の香りがする。

私はすぐにそれをジップロックに入れました。
そして時々こっそりとそれを嗅いでいます。
やっぱりほとんど香りはしないですが、僅かでも生前のあの子と繋がれる大切なものとなりました。

これは私だけの秘密です。