2013年から本ブログの投稿を始めて、早10年近くの月日が流れました。

私は、元々は市販のロッドを使って、JB生野銀山湖のプロトーナメントに参戦していました。

しかし、思うように成績も出せず、下手の横好きのような感じで参加していました。




当初の目標といえば、やはり、「いつかJBプロトーナメントで、そしてJB生野銀山湖で優勝してみたい…」

そんな思いを持って、練習に励んで試合に参戦していたのを覚えています。

多い年では試合と練習日を合わせて、年間30日以上も通っていた時期もありました。




その時に行っていた練習は、クリアウォーターのリザーバーである生野銀山湖 特有の釣り“サイトフィッシング”です。

当時は現在よりも魚影は濃く、魚こそ小さいですが、まだ25cm以上のキーパーサイズ3本は普通に釣れるリザーバーでした。

サイトフィッシングは、バスがルアーに反応してからルアーを喰うまでの一連の動作が、

一部始終目視できるとても刺激の強い釣りなので、たちまち私はのめり込んでいきました。




試合に出るからには、他の選手と違う練習をして力をつけないと、結果はついてこないと考え、

その当時やっていた練習が、「午前中の自分」VS「午後の自分」との対戦です。

バカバカしい練習法ですが、今から考えると、これはこれでとても有意義な練習でした。

なぜなら、一日ダラダラ練習して「今日は何本何g釣れました~」的な練習では、

練習より試合時間のほうが短いので、実戦的な練習にならないと考えたからです。

実際、午前中3本800g、午後3本750gで午前の勝ち!とか、

午前中1本だったが大きい魚が釣れてキロオーバー、じゃあ午後から3本キーパーを釣ってこのウエイトを超えるように必死に釣ったり等々、

そんな練習が、肌寒い春先から暑い夏まで毎週のように続きました。

釣れたら、何月何日、何時何分、どの場所で何で釣ったとか、どうやって喰わせたとか事細かくノートにメモを取り、

よく後から見直して、翌年以降の同時期の釣りの参考にしていたものです。




しかし、現実とは厳しいもので、優勝はおろか、お立ち台すら上がれない状況が続きました。

そこで、自分に今、何が欠けているか自問自答したときに、出てきた答えが「大きい魚を釣る技術」でした。

ちょうど、その頃から友人に奈良県月ヶ瀬村の高山ダムや京都府南丹市の日吉ダムの釣行に誘われはじめました。

生野銀山湖に比べて、圧倒的に魚影の濃いこのリザーバーで釣りをしていくうちに、

このとき自然と大きい魚を釣る技術が身についていくのを、後で振り返ったときに気づくことになります。

一方、そんな中、周りの選手は有名メーカーのスポンサーが付いたり、しかも試合できっちりと結果を出されていたので、

自分だけ取り残された感があり、惨めな気持ちになったときもありました。

「釣り下手」
「何しに来たん?」
「頑張らんとダメですね」

そんな言葉をかけられたこともありました。
ただ、それでも辞めようとは思わず諦めませんでした。




「他の選手のようにスポンサーが付かないのなら、自らが立ち上げればいいじゃないか…」

更に、「他の選手にはできないこと、それは何か?じゃあ、ロッドビルディングをしよう!!」

頭のおかしい私は、こんなぶっ飛んだ考え方をするようになりました。

以前に少しロッドを作っていたことがあったので、それがすぐに頭に浮かんだのです。

ただ、ロッドビルディングといっても単にロッドを作ればいいのではなく、試合に使えるロッドを作らなければなりません。

しかし、無鉄砲な私はそんな事は省みず、やるからには完全オリジナルのブランクを製作してもらえる製造会社を探しだして、

遂に、SOLID CUSTOMの第一号のロッドを作る事ができました。

そして、サイトフィッシングではなかったのですが、このロッドで念願の初優勝を成し遂げることができました。

その後も、がむしゃらにロッドを作り続けました。試合の直前までかかり、寝不足で練習もままならない日もありました。

それでも、成績の出なかったあのときの悔しい気持ちをバネに、金無し、コネ無し、叩き上げのスキルと“雑草魂”で心折れずに頑張ることができました。

そして今シーズン、今までどうしても結果が出せなかった第1戦 ゲーリーインターナショナルCUPにおいて、サイトフィッシングで優勝する事ができました。




そして、獲得した年はバラバラではありますが、JB生野銀山湖 第1戦から第4戦までの全ての優勝の楯を獲得する事ができました。

「あのとき諦めないで本当に良かった。」

今シーズンを終え、その気持ちが強く自分自身にこみ上げてくるのがわかりました。

これもこれまで支えてくださった家族、友人、たくさんの釣り仲間、そして運営スタッフの方々のおかげであると思います。

関わってくださった全ての方に感謝の気持ちを伝えて、このブログを終わりたいと思います。

本当にありがとうございました。


本ブログはこれで終わりますが、選手としてはあと少しだけ続けることになりました。

もちろん、SOLID CUSTOMのロッドビルディングはこれからも続けていこうと思います。

つたないブログではありましたが、一度でもアクセスしてくださった方へも感謝の気持ちを伝えたいと思います。

SOLID CUSTOMを本当にありがとうございました。









2021年の秋口に製作したチューブラーモデルのSCS-511UL “Hunter Killer 511”

レングスは6フィートから1インチ短い、5フィート11インチのウルトラライトアクション

スピニングロッドのチューブラーモデルを製作するのは久しぶりでした。




リールシートは、FujiのIPSシート
グリップは、Fujiのコルクグリップ、アップロック式セパレート仕様




ガイドは、FujiチタンフレームSiCガイド



ガイドセッティングは、KRコンセプト T-KLSG20H81ベースのオリジナルセッティング




製作当初は、サイトフィッシング、ブラインドとシーンを選ばない万能モデルで、

ソリッドティップモデルの“Hunter Killer”のチューブラーモデル版と製作しました。

このロッド、実は2021年はほとんど出番がなかったのですが、今シーズンの初戦!!





このロッドで今シーズンの初バスを、更に初戦の優勝を決める魚を釣ることができました!!!!

このブログでSOLID CUSTOMのロッドを紹介するのは、これで最後となりました。

ブログの投稿も次回が最後となりますが、これからも良いロッドを作れるよう精進していきたいと思います。









10月22日(土)~23日(日)
全日本バスプロ選手権西日本大会が、兵庫県朝来市 生野銀山湖で開催されました。




朝のミーティング
兵庫県朝来市長のご挨拶




フライトは初日セカンドフライトの後のほう
2日目はファーストフライトのほぼ先頭

プラクティスでは、上流のインターセクションが良かったので、初日はそこへ向かうことに…

案の定、船団ができていたので、出会橋より黒川のストレッチ水深10m前後を狙います。

プラクティスで唯一、キーパーを手にしたエリアで自信があったのですがノーバイト

その後、インターセクションの周辺をくまなく狙いますが、結局、釣れたのはブルーギル1匹のみで、初日、無念のノーフィッシュ





2日目 ファーストフライト
一目散に下流を目指します。

初日ノーフィッシュだったため、一か八かのビッグフィッシュ狙い…

思い出の場所に思い出のルアーと同じトップウォータープラグを投げまくります。

そうこうするうちに明るくなってきたため、次のエリア法道谷へ移動…

ここも思い出の場所…

ディープを狙うため、思い出の場所よりやや下流側をドラッギングで流します。

前日の上流のインターセクションより、選手が少ないので、とても釣りがしやすい。

魚群探知機の映りもインターセクションより、ここのほうが良かった。

ここで粘るか…

2日目は、これまでのトーナメント生活を回顧しながら、悔しかったことや、嬉しかったことを噛み締めながらキャストしていました。

そして、とうとう竿が曲がることなく帰着時間…「おつかれさまでした。」と自分をねぎらいます。




表彰式
この厳しい状況の中、連日ウェイインした選手

5位入賞の柴田プロ、おめでとうございます。4位入賞の赤松プロ、おめでとうございます。そして、ありがとうございます。

優勝は、高山ダムで偶然お会いしたときも気さくに話しかけて下さった冨岡プロ
本当におめでとうございます。




私自身この選手権で何も結果は残せませんでしたが、試合後、赤松プロや川上プロ、杉山プロ他皆さんに声をかけてもらったおかげで、もう少しだけ続ける気持ちになりました。

おそらく、今までより練習に入る時間が少なくなったり、ひょっとしたら全試合出られるかどうかもわかりません。

ただ、今まで続けていて後悔したことは一度もなかったので、あと少し続けてもそれは変わらないと思います。

これからは成績や結果の事は考えず、考え方や気持ちを切り換えて、「釣り仲間に会いに行く」こと、「釣りを楽しむ」事を大切にしていこうと思います。