

ストーリーをひと言で表すとそんな感じです。
『 衝撃降下90度 』という作品は松本零士氏執筆の第二次大戦を舞台にした短編戦記物のうちの一遍。
画像の機体は作品に登場する「 キ-99 」。
排気タービン=ターボチャージャー過給の空冷星型エンジンを串型配置で2基搭載した「試作高々度高速戦闘機」。
キ-99という呼称から陸軍機と判断できます。
製作された機体は3機。目標は音速を超えるほどの性能を有する機体開発。


パイロットは2度にわたり奇跡的に生還するも大きな負傷を負ってしまいます。
改良を加えた3号機でのトライ。
最後の燃料を搭載した最後の機体。
これが音速に挑むラストチャンス。
しかし日本本土上空に侵入していた米軍B-29爆撃機部隊に遭遇、その護衛機P-47サンダーボルトの追撃を受けるもそのまま試験続行。
P-47を従えるように垂直降下開始。
速度850キロ…
980…
1,150…
P-47空中分解。
速度1,125キロ到達
音速=音が伝わる速度は1気圧下では時速1,125キロ。
地上に届いたのは物体が音速を超えた時に発生する衝撃波(ソニックブーム)のみ。
キ-99は音速を超えた直後にパイロット共々空中分解し四散。
この話、セリフ全て覚えるほど読んだなぁ。
…って方も少なくないでしょうね。

コミック「戦場まんがシリーズ」全9巻に収録された100話近い短編にはいくつもの名作がありますけど第5巻のタイトルにもなっているこのエピソードがダントツにお気に入りでした。
最近は「ザ・コクピット」シリーズに収録されてるのをコンビニで発見、時たま読み返してます。
「衝撃降下90度」は30ページにも満たない作品なんですけど松本零士氏の作品の中核をなす要素が非常にストレートな形で凝縮されているように感じます。
敗戦間近という逆境、事態が悪化していく中で信念や執念を捨てず己を犠牲にしながらも夢を追い求め挑戦し続ける男達とその友情、信頼。
そしてそれらを象徴したようなオリジナル架空メカ「キ-99」。
レシプロエンジンに限らずプロペラ機で音速を超えようだなんて現代でも荒唐無稽なことかもしれませんが、主人公の台場にとってはそんなこと一切関係ないんです。
できるまでやり続ける、まさに命ある限り。
キ-99のカッコ良さってカタチやデザインだけじゃなくストーリー全てを背負った部分も大きなウェイトを占めてますよね。
いたってシンプルなラインのデザインで松本メカ特有の楕円ボコボコやとんがった突起も一切なし。細かいディテールではなく全体のバランスとシルエットで見せてます。
そして独特なタッチの「線」で描かれたメカは単なる機械ではなくキャラクターとしての圧倒的な存在感を放っています。
…ってオレ何様?(笑)
でもあのタッチで描かれるとテレビのリモコンですらカッコ良く見えそうですよ。
ちなみにこの機体、最近になって「キ-99」って言うのを知ったんですけどお得意の「後から設定」でしょうかね?
それにキ-100以降の番号もありますけど「99」に該当する試作機は無かったのでしょうか?
でも「キ-99」って呼び名はドンピシャですね。
例によってコレ昔プラモ改造して作りましたよ。1/72でもちろん3号機。

当時のHJ誌の1/48の作例記事を参考に零戦の尾翼に飛燕の主翼使ったニコイチで。
作例じゃ機首に疾風使ってたんですけど当時72疾風のキットは国内どのメーカーからも出てなくて木やパテででっち上げたりして。

でもよくよく見ると作例には3号機のマークが入ってながらその形状は1、2号機でした。
1号機と2号機はほとんど同じ形状だと思いますが、3号機は1、2号機とは主にキャノピー形状が違うんですよね。

1号機

3号機
1、2号機は通常の飛燕と同じようなファストバック型っぽいキャノピー。しかし3号機だけは水滴型っていうんですかね、山なりのティアドロップ的なキャノピー形状に描かれてます。ヒートプレスとかできないので透明プラ板曲げて作りました。
他に作画から分かる1、2号機と3号機の違いはアンテナ線の支柱の位置。
あ、このアンテナ支柱だけが唯一松本メカっぽいデザインになってますね。
あとは予備タンの搭載位置、1,2号機はセンターに1つ、3号機では両翼に吊ってます。


飛燕も後年はキャノピーが五式と同じ水滴型になりましたね。そして五式と同じ空冷に換装したファストバックの飛燕もあったり。詳細はよく知りませんけど。
キ-99はいつかリベンジして作りたいですね~。
作例が載っている当時のHJ誌の松本氏へのインタビュー記事では、キ-99は全くの想像の産物としながら強いてモチーフを挙げればスピナーはワイバーン、垂直尾翼は一式陸攻、テールの流れは零戦、排気タービンはキ-87。
プロペラは表が銀色で裏は茶色、スピナーは銀色をイメージされてたようですね。
予備タンは両翼に2個ずつ付けられるそうです。

その昔ハセガワから戦場まんがシリーズの機体が発売されてたましたが、なんとそのラインナップにキ-99もあったとか無かったとか・・・←後日追記 : ガセネタだったようです。
ハセガワ様、ファインモールド様、他模型メーカー様、はたまたエフトイズ様、ぜひぜひ1/72のキ-99販売してください。そしたら5機は買いますから。
1~3号機作って残りはオリジナルアレンジ&保存用。
そういや先日某オクに1/32だか1/48だかの完成品がでてましたがデカ過ぎるので見送りました。もし72だったらかなりツッ込んでたでしょうね。
余談ですが新谷かおる氏の「戦場ロマンシリーズ」にも似たような架空機が登場してました。
ドイツ空軍が舞台でタイトルは「復讐の急降下」。

ターボプロップ×コントラペラで逆ガルウィング。
けっこうSFチックなデザインですけどナチドイツの試作機って先進性あふれる突拍子のないヤツありますからそれほど違和感は感じませんね。
急降下爆撃機っていう設定ですが、降下速度が高過ぎて機首引き起こし不可能に陥るという致命的欠陥がストーリーに深く関わってました。
▼関連記事▼
●戦場ロマンシリーズのアノ機体●
●衝撃の発売! 1/144 キ99●
●懐かしのホビージャパン!●
※2017年2月 加筆&画像を追加
──────コメント(4)─────
顔アイコンEFINK
99というナンバーは、丁度欠番だったりとかそう言う理由もあったんでしょうが
やはり999と同じ理由でつけられたような気がしなくもなかったりします。
2013/1/11(金) 午後 1:20
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ソリッド
EFINKさん、「99」はちょうど終戦に近づく頃の番号なのでタイミングという意味でも辻褄が合うし、80番台から90番台の試作戦闘機には当時の先進技術を盛り込んだ革新的で野心的な機体開発も多かったこと、そしてやはり「999」を連想させる「キ-99」というネーミングってドンピシャなんですよね。
2013/1/11(金) 午後 8:18
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ばいきんダディ
過去記事への書き込み失礼します。
衝撃降下90度で検索していたらたどり着きました。
本編も記事にされていたんですね(^^;)
今もハセガワから戦場まんがシリーズのプラモデルは発売されているんですね。でも肝心のキ-99が・・・これはヤフオクをまめにチェックするしかないですね。
私も金属製ガンダムはそうしてチェックしています(笑)
ご存知かもしれませんが、衝撃降下90度のラジオドラマの音源がYoutubeに上がっていました。
https://www.youtube.com/watch?v=-tI5Np3M2mU
山越=富山敬!台場=神谷明!!
追伸、ザ・コクピットを記事にしましたよ。
ソリッドさんに触発されました。
2016/12/22(木) 午後 4:56
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ソリッド
ダディさん
過去記事へようこそ🎵
なんか同じような記事内容ですけどね、相変わらずキャノピー言ってるしw
前記事がヨシヒコって流れも似てるパターン・・・
成長と進歩の歩みを止めているオレです
ハセガワの戦場まんがシリーズは既存キットのデカール替えですよね。
でも作るならキットそのままじゃなくて松本フォルムを再現したいですね。金田タイガーとか安彦ザクのように劇中でカッコ良く描かれた松本シデンや松本メッサー。シュっとしたMe262とか🎵
リアルタイプとは対極の「まんがタイプ」w
人物をアニメやマンガ向けにディフォルメするのと同様、メカの立体モノをマンガ絵そのままにディフォルメしてもイイではないないか❗という発想です
キ―99のキットはネットのカキコミが情報源なんですけど、画像など見たことないんでホントに存在したかは不明なんですよね〜
YouTube聞きましたよ❗
神谷富山の神コンビ❗
目ぇつぶって聴いてたら緻密に描写されたアニメ映像が勝手に脳内再生されてトリハダ立ちました❗
2016/12/23(金) 午後 8:40


