多くの人がＣＭや報道などでご存じかもしれないこの映画、テーマは「赤ちゃん取り違え」が後に発覚して、それぞれの家族が迷ったり苦悩したり、そして・・・ という内容です。
題材はいまに始まったことではなく、古今東西 いろいろな形で子どもの取り違えは作品になっていたりしますが、今回は福山くん演ずるパパがどう味付けをするのか？ というあたりが気になる映画だったりしました。
ＡＮＮＥの友人で福山クンファンがいて、そのからみでというか、ＡＮＮＥ自身もみたいなぁ～と思っていたところだったので、「渡りに船
」的に同行しました
冒頭 福山くん演ずるパパ、尾野真千子さん演ずるママと小学校お受験をするケイタくんというどこからどう見ても恵まれた環境にある幸せそうな家族が描き出されます。
仕事ができる夫、子育てに専念する良妻賢母な妻、そして息子。
それが、青天の霹靂というか、寝耳に水というか、突然自分の子供ではないと告げられた夫婦。今まで息子と信じてきた子どもが実の子ではないと知らされたら、誰でも大きなショックを受けるだろうことは想像に難くありませんよね。
実は事件の真相は意外なところから明るみに出るのですが、はっきり言って真相がわかったからと言って家族が元通りになるわけもなし、苦しみが深まるだけ・・・なのですよね。
相手方の子供（つまり取り違えられていて実は本当の子ども）は大阪の小さな電気屋さんの家族として暮らしていました。 3人兄妹の長男で元気ながきんちょ。
リリー・フランキーさん演ずる夫は風采が上がらなさそうで、でも抜け目ない庶民代表（個人的感想です）
真木よう子さん演ずるちゃっかりして肝っ玉母さん風の妻 という家族に福山くん・尾野さん夫婦は最初軽い嫌悪感を抱きます。けれども子どもを週末交換して、お互いの夫婦が実の子どもと接するようになり・・・
はたして子どもたちは？ そして2組の夫婦は？
という内容です。
福山くんは最初 仕事はできるけれど、ちょっと上からな感じの夫を演じています。
一方リリーさんは、普通のおっさんですが、父親として温かさを感じるキャラクターなのですね。
この映画の見どころはやっぱり子どもたちのリアルな、でも飾らない演技とそれを取り巻く大人たちの心の動き、苦悩、決意ってことでしょうか
映画前半は笑いもあったりしてほのぼのした感じの映画でしたが、終盤、なんとなくヤバイ感じになってきて、やられた～
という感じです。 結構深いので、子供を持つ親はもちろん、まだシングルの人もぜひ見てみるとよいと思います。 実際にはありえない・・・はずの出来事。でももし・・・と考えると我が子がとても愛おしく思えるかもしれません。
だからこそ、カンヌ映画祭で大喝さいだったのでしょう。
子育てで先が見えないトンネル状態のパパ・ママも見てみると一歩引いた客観的な視点で新たな子どものよさを見いだせるかもしれません。
我が家の子供たちはもう大人ですが・・・（経済的自立はまだですが
） もう少し子どもたちが小さい時にこの映画を見たとしたら、もしかしたらもっともっとぎゅっと抱きしめてあげたかも・・・なんて思います。 子どもたちにはキモイと言われそうですが・・・(笑)映画ってやっぱり心を動かしますね～
それではさようなら。さようなら。さようなら～
（往年の映画評論家 淀川長治さんの口調を真似してみました
子どもの頃好きだったんです。この最後のフレーズ ご存じ無い方はご両親とかおじいちゃん・おばあちゃんに聞いてみてくださいね）尾野真千子