長谷川真希さん

(笹谷ダンスの頃)
最近、活躍しております。
ブラックプール

ライジングBest24


さて、
ダンスの心地よさは、
男女のスキンシップであり、一体感であり
ハーモニーのある躍動感なのであります。
それは、人間の本能です。

一概には言えませんが、
男性は、比較的に躍動を求めますが
女性は、感触の良さを求めるのです。
つまり
男性は、困難ステップを綺麗に踊りたい。
女性は、心ときめく演技をしたいのです。

人それぞれ好みがあると思いますが
このような傾向があるのではないでしょうか。

ワンコインパーティーでは、
自分にフィットするお相手に遭遇するのは
極めて稀な出来事で、幸運に思います。

そういうお相手に出会った時は、
また踊りたいと思う。
お相手の顔、服装、しっかり覚えて
席まで送り届けるのがマナー。

実は、私にも何人かいます。
言えないけど。笑

3回ぐらい踊ったら
さりげなく褒めて、名前を訊いて
またお会いしたいですね、と伝える。
すると
お相手も、ちゃんと覚えていて
別のパーティーで見かけた時に
目で会釈するのです。
そういう時
ああ、心が通じているんだなぁ
と、何となく嬉しくなりますね。


☆ちょっとだけ瓦版
「My Favorite Things」(金光進陪)
大学に入り、競技ダンスに出逢った。
それからずっとダンスと共に生きできた。
これからもそうだろう。踏歴万年目を迎える今、
大きな転機が訪れようとしている。
そこで、節目節目で私が大切にしてきた
ラテンダンスヘの想いと技術のヒントを
ここでまとめてみようと思う。

私がラテンダンスに没頭し始めた2000年代初頭は、
ドニー&ゲイナー(バーンズ組)から
ブライアン&カルメン(ワトソン組)、
ポール&ハンナ(キリック組)にチャンピオンが
変わろうとしていた頃だった。
当時の私は音楽を如何に引っ張るか、如何に
タメを作るかということにこだわりを持っていた。
音楽を表現する手段としてのタメが、結果として
フットスピードの速さや足の強さに繋がり、
ガリガリで、姿勢の悪い当時の私でも、
学生競技ダンスシーンで際立つことが
出来たのだと思う。


3年生の冬の全日本戦サンバの部で優勝した私は、
すでにプロになる意思を固めており、
4年生の時には部活に所属しながらも、
クワバラダンススクールのスタッフとして
勤務していた。見習いで通っていた頃は
ひたすらシャドーに明け暮れており、
その時の感覚が私のラテンダンスの
基礎を作ったのではないかと思う。
私の関節や身体の柔らかさは、上体と下半身を
分けて使うというメカニズムをベースにしており、
この時間差で身体をコントロールしていく感覚は
プロになりたての頃のシャドーの下積みによる
ものだと思う。


音楽性と身体のしなやかさを武器にプロとして
戦っていたキャリアの前半、中々成績が出なくて
苦しんだ時期があった。勢いだけでは通用しない、
コネクションやテクニックが足りない、など
色んなことを言われて迷ったりもしたが、
海外留学に行くようになって、フォーカスするべき
ポイントがはっきりとした。
日本人と海外トップ選手との違いは、
その場だけで行なうアクションと、背骨の移動を
伴いながらダイナミックに動くムーブメントだと。
スペースに飛び込む、誰よりも大きく動く、
軸を移動させる。
新しい取り組みにシフトした途端、
成績は飛躍的に向上した。B級からA級に
昇級すると共にファイナル入り、UK選手権でも
ライジング決勝を果たした。


その後、日本のファイナリストの地位を築き、
世界のショーダンス選手権でもファイナルの
常連に名を連ねたが、どうしてもあと一歩で
チャンピオンになれない悔しい時期が続いた。
意を決して、メインコーチャーであった
トーナ・ニューハーダン女史の元に長期留学をした。
10カ月に及ぶ学びの中で、私に足りなかった
最後の1ピースは「立ちの強さと美しさ」だと
気付かされた。ファーストラウンドから
ファイナルまで120%のフルパワーで
踊り続けながら、決してポスチャーを崩さない。
ネック、あばら、ヒップ、フツト、あらゆる箇所に
神経を行き届かせエネルギーを全身に充満させる。
チャンピオンルックである。


多くの挫折や苦労に彩られ歩んできた競技生活
だったが、素晴らしいパートナーにも恵まれ、
悔いなく次のステージヘシフト出来たと思う。
引退して気づく事の多さ。あの時に知っていれば、
こうしていれば、といった想い、がよぎる、が、
たとえその当時に一戻ったとしても、私は多分
同じ選択をするだろう。あの時の自分は
ああしか出来なかった。未熟だったとしても、
それが偽らぎる等身大の自分。
後進を育てながら、また自身が舞台に立ちながら
今思うことは、ペアダンスの本質
「パートナリング」についてである。
競技ダンスは一人では成立しない。
相手がいて、二人の間に起こるケミストリーが
人を魅了する。そこには確固たるテクニックや
ペアダンスヘの深い造詣があり、相手を
思い遣る気持ちやセンスがなければ成立しない為、
人としての成熟も必要だ。
私もまた道の途中を歩いている。
・音楽性
・身体の使い分け
・ムーブメント
・立ち姿
・パートナリング
・人としてどうありたいか
ダンスは感性とそれを表現する為の技術によって
形作られる。深い。まだまだ底は見えてこない。