私がダンスを始めて間もない頃、
日本武道館でリチャード・グリーブさんの
デモを見たことがあります。

特に印象に残っているのが、
スローフォックストロット
英国風ダンスの真髄と言われる、正にそれ。
滑らかで優雅な踊りは、またとない
刺激を与えてもらいました。
私のダンスの原点です。

日本人で一番グリーブさんに近い
踊りをするのは、やはり田中英和先生

だと思います。
スローのムーブメントの雰囲気が
とても近いです。
私も少しでも近づきたいと思い
スローは入念に踊ります。

ところが、
公民館パーティーでスローを踊ると
殆どのご婦人は私と合いません。
SもQも関係なくパタパタ歩くのです。
これはもう
勘弁してほしいです。
私は、女性を強く抱きかかえ
Sはゆっくり目に、Qは素早く踊ります。
全身を使ってムーブメントを教えるのです。

たぶん、
女性は何かを感じていることでしょう。
言葉で言って直すと女性は傷つくから
ムーブメントで意思を伝えます。
踊り終わると
「有難うございました~ζ^.^ζ」
と、恥ずかしそうに離れて行きます。


★其井湯♨アラカルト
四字熟語
「臥龍鳳雛」(がりょうほうすう)
将来大活躍する英雄をたとえる。
臥龍は「伏龍(ふくりょう)」ともいう。
諸葛孔明(しょかつこうめい)(名は亮
(りょう))のこと。龍は漢(かん)音でリョウ、
呉音でル、慣用でリュウと読んでいる。
『三国志』によると、徐庶(じょしょ)という
人物が、蜀(しょく)の先主(せんしゅ)
劉備(りゅうび)に「諸葛孔明は臥龍だから、
是非会いに行きなさい」と勧めた。
孔明は隠棲(いんせい)していたのだが、
いずれ風雲に乗じて大きな働きをする
人物だという意味。
そこで劉備は「三顧之礼(さんこのれい)」
をもって孔明を招き、孔明は蜀のために尽くす。
鳳雛は、おおとりのひな。将来有望な若者を意味し、
こちらは龍士元(ほうしげん)(名は統(とう))
のこと。劉備の参謀となって活躍し、
若くして戦死する。麒麟児(きりんじ)という
語に近い。ともに三国時代の英雄だ。


★其井湯♨瓦版

<ケンさんのブログから>
そもそも表現が決められっている
社交ダンスって楽しい?

2022-07-16 10:44:39
社交ダンスに限らず現代社会のトレンドは
最初から誰かによって決められ人々は
それに従って生きています。
様々な価値観もメディアにより決定され、
多くの人は自分の考えというより
ただ与えられた情報に従って
生きているのが現状です。

社交ダンスに於いてもトップクラスの
踊り手による音楽表現が基準に成って
誰もがその踊りが自らが求める正解と
信じて疑わず日々の練習を重ねています。
戦後の社交ダンスが最も盛んであった頃には
世界チャンピオンが変わった途端、
すべての踊り方が変わってしまい
多くの踊り手が昨日迄の踊り方一変させ
出来るだけ早く新しい踊りに変える事に
苦労しました。

もちろん基本的な運動表現は同じなのですが、
新たに王座に輝いたペアはそれまでの
チャンピオンとは全く異なった音楽表現を
することでその座を得たため世界中の踊り手、
特に競技選手はそれまでしっかりと覚えた
前チャンピオンの踊りを変えるのが大変でした。
常に見た目の表現を真似て踊っていた
日本の踊り手達は常に流行に翻弄され
いつも自分の踊りを創り出すことが出来ず、
いかにうまくチャンピオンの踊り方を真似るかが
踊り手の価値と成っていたのです。

当時世界チャンピオンで有った英国のグリーブ夫妻の
レッスンを何度も受けましたが、どんなに上手に
真似をしても渋い顔をされる事が多かったのを
思い出します。
大好きな踊り手でしたから自分の持つルーティンの
多くが彼らのルーティンを真似た物でした。

しかし上手く踊れたと思うといつも何故
自分の踊りをしないのかと叱られました。
出来るだけチャンピオンの踊りに似せる事が
当時の日本のダンサーのトレンドだったから
彼らに寄せた踊りをする事がよい成績を得る
方法でもありました。
しかし、実際にレッスンを受けると、
同じような演技をすればする程
嫌な顔をされました。

また、パートナーと踊る時もルーティンを
間違いなく習った様に踊ると突然踊りを止められ、
何故自分と踊ってくれないのかと
言われたものでした。
今になって思うと、彼らはテクニックや
運動表現の悪さをたしなめたと言うより
私自身が感じて生み出した音楽表現を
していない事に不満を漏らしていたのです。

この事は現代にいても同じような問題が
多く見られ、アマチュア、プロに関わらず
ただステップやルーティンを真似し
再現する事を良しとする踊り手達への
警鐘とも言えるのです。
同じフィガーやルーティンであっても
踊るペアが変われば踊るお相手が変われば
全く違った音楽表現に成る事が大切なのです。

同じ踊り方を誰にでも当てはめるのは
社交ダンスでは有りません。
例えいつもペアを組んでいるお相手と
踊っていても、私達は生き物であり、
日々心も身体も変わっているのです。
常にお相手の変化を感じ取り音楽と環境に
瞬時に反応し、その時最も適切な
運動表現が出来る事がベストダンサーと
言えるのです。

与えられたステップやルーティンを
ただ記憶して再現しているようでは
本当にペアとして楽しい社交ダンスは
踊れません。
もっと心に躍動感のある踊りを目指しましょう。
豊かな感情は自分達だけでなく
見ている人達をも楽しく幸せにするものです。