友人に子供が産まれた。
仲のいい友人なので、とても喜ばしいことではあるが、未婚の私と既婚友人の間には越えられない山があり、この山はどんどん高くなっていく。この山の名を人生の経験値という。
私はかつてとても結婚願望が強い人間だった。
結婚しようとも思っていたが、1人でいることの楽しさや他人に大事にされない人生に辟易とし、仕事に邁進していたら、婚期を逃してしまった。
素敵な人なら恋人ぐらいと言われるだろうが、私はいい奴ではあるが、異性ウケするタイプではない。
お見合いやマッチングアプリもしてみたが、ピンとこない。正しく言うと、この人のために時間を割きたいとは思えない。
私はいわゆる内面重視タイプである。
見た目は清潔感があれば、あまり気にならない。好きになるタイプはいつもそうである。
しかし、お見合いやマッチングアプリでは、条件重視になるので、見た目の写真、年齢、年収などがものをいう。初めて会うならやっぱり見た目が大事だ。
この大きな矛盾をかかえつつ、お見合いなどに勤しんだが、私の心をくすぐる異性に出会うことはなかった。
そんなわけで、まぁ独身でもいいかと思いながら生きている。友人との間の高い山はあるが、友人からしたら、私の気ままな人生を羨むこともきっとあるだろう。
私は他人と生活することにフラストレーションを感じてしまうので、本当に結婚した友人たちを尊敬している。ここの経験値をあえて増やしたくないと思っている自分がどこかにいる。
結婚、子育てなどの経験値はないが、自分の人生が空虚なものであると思うことはない。
越えられない山はあるが、山のどちら側が心地よいかはその人次第である。私はきっとまだこちら側の人間なのだろう。
私のルールの一つに「他人の幸せは羨まない、全力で喜ぶ!」というものがある。
他人が幸せになったら自分が不幸になる、ということはないわけで、それなら他人の幸せを全力で喜ぶ方が自分も幸せである。
もちろん自分が弱っている時は辛い時もあるだろう。それでも、他人の幸せを喜べば、私が幸せになった時喜んでくれるだろう。それができるのが、真の友人だと思う。
越えられない山はあっても、山の頂上で落ち合えばいいのだ。そうやって今日も高い山を見ながら、こちら側でせっせと毎日を過ごしていく。