※この記事は『ほかの福音(1)はじめに』の続きです。
Ⅱ. 倫理崩壊の教会
倫理的問題を起こす教会があとを絶たない。私たちは聖神中央教会事件 [1]を決して忘れることはないだろうが、規模の違いはあっても、同じような倫理的問題が諸教会の中で発生している。それら、1つ1つを見ていくとあることに気がつく。カリスマ運動を行なっているか、その影響を受けている教会が多いのだ。そしてそれらの多くの教会はつながりを持っている場合が多い。ジョン・F・マッカーサーJr.はこう言う。「もっと悪いことに、表向きは『聖霊に満たされた』カリスマ派の指導者のセックス・スキャンダルが、過去10年間に、伝染病のように拡がった。(中略)そのようなスキャンダルは、しるしや不思議を真の霊性の唯一の確実な証拠と主張するカリスマ運動の伝統だ。(中略)カリスマ運動は確かに異常なほど多くのスキャンダルを残してきた。」、「今日のカリスマ派・ペンテコステ派の教会は、コリント教会と同じ多くの問題で苦しんでいる。今日は、教会に強い影響力を持つ異教社会だ。肉欲や道徳的妥協が教会に忍び込んでいる。最も不名誉な不道徳と堕落の例がカリスマ派指導者の頂点を覆う。今日のカリスマ派の姿勢とコリント教会に広まっていた思考とは気味の悪いほど似ている。」と、また、「ペンテコステ運動の深刻な問題の一つは指導者の多くが不道徳に陥っていることだ。ある有名なペンテコステ派の説教者は、ここ3年来未亡人だが、『聖霊の子を身ごもった』と言明した。」とチャールズ・スミスの本から引用している。[2] 佐々木正明も次のように言っている。「(カリスマ派の指導者たちによれば)人間の罪の原点はセックスである。だから、アダムとイブは自分の裸を隠した。したがってその罪は、聖いセックスで聖められなければと、たくさんの女性をだました伝道者だけでなく、たくさんの男性を捕縛した女性伝道者もいる。ペンテコステ系の能力のある伝道者には、セックス・スキャンダルを起こすものが多いと感じるのは、著者だけだろうか。」 [3]
これはアメリカに限ったことではない。日本でも同じだ。実際に多いのだ。これは、非カリスマ派の教会は倫理的問題を起こさないという意味では全くない。しかし、比率的にそうなのだ。日本のカリスマ派教会で発生した倫理的問題の例を紹介したいのだが、実際あまりにも多くてきりがない。そこで、一つの雑誌で公にされた事件を資料として巻末に付しておく。[4] 記事には3つの教会の事件が書かれているが、それらはどれもカリスマ派であるか、カリスマ派と強いつながりを持ち、影響を受けている教会である。初めてご覧になる方は、事件の酷さにショックを受けられるかもしれないので注意して頂きたいが、非常に悲しいことにカリスマ派教会では珍しいことではないことも知って頂きたい。
次章:『ほかの福音(3)外国のカリスマ派指導者による日本への影響』
[1] 聖神中央教会事件 2005年4月に当時小学6年生の女児信者への姦淫容疑で牧師の金保(きん たもつ)が逮捕された事件。教会内では「パウロ永田」と名乗っていた。被害者は89人以上と言われている。強姦および未遂、準強姦、強制的献金をさせる等、多く罪を犯している。表向きは長老教会だが、金は神の声を聞いて牧師になったと言い、礼拝は異言で祈りがされ、信徒たちは身体を揺らし、手を挙げ、涙を流して礼拝し、悪いことは悪霊のせいにし、牧師の命令に逆らうと地獄に落ちると信徒たちは脅された。実践の面ではまったくのカリスマ派であった。
[2] ジョン・F・マッカーサーJr. 混迷の中のキリスト教 櫻井圀郎訳 日本長老教会文書出版委員会 1997年 15p、158p、242pの脚注。
[3] 佐々木正明のblog記事より。 2010年11月09日 だいぶ怪しげなペンテコステ信仰(3) http://pentekosute.seesaa.net/article/167000763.html
[4] AERA 2008年7月28日号 キリスト教会の「暴力、SEX、悪霊払い」が元記事であるが、ウェブサイト「JWIL /エホバの証人被害者家族の会」の宗教最新情報(2008/8/15)から転載した。